北海道に行く前、羽田で
「新千歳空港に着いたら、荷物を取り、外のバスに乗る前に、
トイレをすましておくこと。」と言う、指令のお手紙を頂きました。
で、新千歳空港に着いて、荷物がまだ出てきてなかったので
トイレに行くことに。
トイレは4つしかなく、女子トイレは長蛇の列。
男子トイレは、男子高校生の団体が並んでいましたが
父が入った時は列はなく、空いていました。
私と母がトイレから出てきたら、父がいない・・・。
母に
「荷物見てて!荷物が出てきても、受け取ったらここにいてね!
じいちゃん探してくるから!」と言うと
「うん、わかった!」と言う母。
父を探したけどいなくて、母のところに戻ったら、今度は母がいない!!
母を見つけたら、母は、自分の荷物だけ持って、ふらふら歩いていました。
「ちょっと〜!どうして、動くかなぁ〜。私の荷物は?」
と聞くと
「まだ、来ないよ。」と言う母。
「えっ!!」
母のマイペースぶりに、思わずイラつきました。
(見ててって、言ったのに〜)
荷物は来ないし、父はいないし、
大きな声で
「じいちゃん、どこ行ったんだろ?」と、言ってたら
ANAのお姉さんが
「先ほど、男の方が外に出てしまっていましたよ。もう、中に入れないので、
外で待つように言っときましたけど。」と言ってきました。
(なんで、父の事わかってるんだろう?)
「もう〜!!」
と、怒りながら
荷物を見つけ、外に行くと、旅行会社の添乗員やバスガイドさんと一緒に立っている父。
母が
「お父さんっ!!なんで、外に勝手に出るの?!探したんだよ!!」
と言うと、父は
「ああ〜そうか〜。」
と、ニコニコ笑っていました。
思わず、腰が抜けそうになりましたよ。
腰が抜けたと言えば、飛行機の中で、
フ
リードリンクが飲めるんだけど
父に「何飲む?」と聞くと
「カフィ プリーズ!!」なんて言っちゃって
思わず「国際線じゃないから!」
と言うと
「えっ?どこ行くの?」なんて言っちゃって
母と一緒に声をそろえて
「北海道だよ!!」
と言っちゃいました。
CAさんが来て、私と母が
「あったかいお茶2つください」と言ってる時
父は「あったかいコーヒー、あったかいコーヒー」
と、私たちと同時に言ったら
CAさん、腰を抜かして、
しゃがみこみ
「あのう〜私、聖徳太子じゃないので、一度に言わないでください・・・。」
って、笑いながら、言ってました。
父って、ホント、人を笑わせちゃうんだよね・・・。
私も最初は笑って許してたけど、
バスの中で、後ろの席に座ってた夫婦の会話を聞いた時
すごく悲しい気持ちになって、
思わず、父を怒鳴っちゃった。
その後ろの夫婦に、聞こえるようにわざと怒鳴った。
それは天都山に行った時、
「網走刑務所」と「流氷館」見学の2コースに分かれてて
最初に網走刑務所に行って、網走刑務所を見学する人たちを下ろして
流氷館に向かうんだったんだけど
私たちは流氷館を見学するんで
降りてはいけないのに、父が降りてしまって
「じいちゃん、降りちゃいけないんだよ。私たちはこのままバスで流氷館に行くんだよ!」
と言ったら
「ABCに行ってくる!」と言って、降りる人たちに紛れて降りちゃった。
私と母が一緒に座って、父を一人で座らせたのがいけなかった。
トイレに行ったら戻ってくると思ったら
フラフラしてるから
「あーちゃん!!早く行って、連れ戻してきて!」と言ったら
後ろの席のおばさんが
「みんな待ってるのに…。迷惑よね…。」と旦那様に言っていたのだ。
旦那様は何も言ってなかったけど、
すごく悲しい気持ちになった。
で、戻ってきた父に、
「みんなの迷惑になっちゃったんだよ!」と、怒鳴っちゃったわけ・・・。
母に、
「後ろの人が、怒ってたよ。
迷惑だって・・・。」
と言うと、母が
「ふう〜ん。そう〜。」と気にしていない様子。
そして、外を指さし
「ほら、あの人たちも、間違って降りちゃったみたいよ。」と笑ってた。
間違って降りたのは、ミャンマー人で、言葉が理解できなくて
降りちゃったみたい。
「仕方ないよね・・・。」
と、みんな言ってた。
後ろのオバサン以外は、みんな優しかった。
でも、後ろのオバサン、すごく上品で、旦那様に
「〜しますか?」「〜なさったら?」
という感じで、いい感じの人かと思ったのにガッカリだった。
でも、その後、そのオバサンと旦那様、
流氷館のところで写真を撮っていて、集合時間に間に合わなかったのだ。
バスの中から、写真撮影してる姿が見えた。
で、そのオバサンの席の後ろのオジサン、
多分、オバサンが父の事、迷惑って言ってたの聞いてたんだろうな、
「ま〜ったく、時間すぎてるのに写真撮ってるよ!!今日は、ホテルに到着時間に着かないな・・・。」
と、怒り始めた。
ちょっと、仇を取ってくれたような気がして、ニヤリとほくそ笑んだのは内緒。
おじさんの言った通り、ホテルの到着時間、18時30分到着を過ぎて
7時45分頃到着。
この日は部屋食を頼んでいたので、ご飯を食べてからお風呂へ。
ご飯を食べて、
父を部屋に残し、母と二人で急いでお風呂に入り
母が父をお風呂に連れて行って
男湯の前で待っていた。
こんなに苦労してるのに父は全然気にしていない。
後ろのオバサンに、「迷惑」って言われた時、私、実は泣いちゃったの。
で、母に
「あーちゃん、毎日、可哀想だね。いつも、こんななんだね…。」と言うと
母も泣いて、
「つらいけど、仕方ないよね・・・。まだ、お父さん、怒ったりしないからいいんだけどね。」
と言っていた。
陽気で明るいところはいいけれど、
「ABC」「ABC」と言っては、トイレに行きたがる父。
(もしや、A.B.C−Zファンか!?)
母と「ABCってなんだろね?」
と言ってて
私が
「あっ!W.Cのこと言ってるんじゃない?」と言って
顔を見合わせて、
「ぶ〜っ!!」とふいた。
なんかね、父って、憎めないんだよね・・・。
つづく・・・。