『孤独か、それに等しいもの』大崎善生 [2007年09月03日(月)]
『ドナウよ、静かに流れよ』に続いてまたまた大崎善生さんの小説を読みました。
写真は、文庫本の方ですが、「孤独か、それに等しいもの」を含む短編集です。
タイトルもトーンが低いのですが、どの短編も人の死や、別れを含む寂しくて悲しいストーリーでした。
この中で私が1番気に入ったと言うか、最も感じ入った短編は「ソウルゲージ」という最後に収録されたもの。
自分を育てるために昼も夜も働いた優しい母が、妻子ある人とダイナマイトで心中。
と書いただけでちょっと重い気持ちになってしまうのですが、そんな形で母を失った少女の成長が描かれています。
ソウルゲージとは、魂を閉じ込める籠。
母を失った少女は自分を守るために、あらゆる観念をその籠に放り込んでいるうちに、自分自身まで放り込んでしまいます。
とってもよくわかるような気がするんです。
感情を殺すと言うか、感じなくなると言うか、そういうところが。
彼女は気がつき、やがて立ち上がるのですが、それまでの辛さや苦しさが痛々しい。
そんなストーリーを美しく支えている、大崎マジック。
やっぱり、大崎さん、いいなぁ。
今読んでいるのは『タペストリーホワイト』
これも大崎さんの作品です。
URL http://www.dhcblog.com/pyon/tb_ping/347
見えないかもしれませんが、本の表紙です。
『タペストリーホワイト』大崎善生と書かれてあるのですが・・・。
ここのところ、続けて大崎さんを読んでいます。
学生紛争って「激しかった昭和」というイメージで、今ひとつピンと来ない私。
なんでだろう?と... [ReadMore]
電車通勤で読書っていいですね。
通学・通勤で電車やバスを使ったことがないので憧れます
自転車通勤もかっこいいな〜
読書する時間って、なかなかとれないものですよね。
休みの日に、本を読みたいと思っていても、誰かに誘われると出かけてしまう私デス
でも、好きな作家の本だったり、読み始めたら面白かったりすると、続きが気になって睡眠時間を削ってでも読んでしまいます。
大崎さんは、私の中で今読みたい作家なのかも知れません
夏が終わってしまうからかな・・・?
ぴょんさんのの紹介文には、いつも心惹かれます。
以前、電車通勤していた頃は、本を読む時間が十分
あったのですが、転職し通勤になってからは
なかなか本が読み進まず、残念です。
大崎善生さんの、チェックしておきまーす