日本人はよく微笑む。
常に微笑みを顔にまとっていると言っても過言ではない。
あいさつも、肯定も否定も、たいてい微笑みと共に伝えられる。
そして、日本人は、他者と目を合わせるのを嫌う。
相手の目をじ〜っと見つめることを、
失礼だと思ったり、または、気まずいと感じる。
この性質は、犬に似ている。
犬が目をそらすのは、
相手が自分より上だと認めているからなんだそう。
(狂犬病の犬は目をそらさずに襲ってくる、
なんて聞いたことがありますが、
つまり、攻撃対象だと言うことですね。
)
で、微笑みと言えば、
英語人。
(我が家では、
英語を母語とする人たちをこう呼びます。
欧米人とひとくくりにしてしまうには、
ヨーロッパを知らなすぎるのです。わたしは行ったこと無いし。
もっとも、我が家が知る
英語人は、大抵アメリカ人ですが。)
英語人も、人と目が合った時、たいていニッと笑顔を見せます。
でも、この笑顔は日本人の微笑みとは別物です。
日本人の微笑みが、
目尻を下げ、口角をやや上げることで表現されるのに対して、
英語人の笑顔は、
口角をぐっと上に上げて、ニカッと歯を見せて表現されます。
基本、目は笑う必要はありません。
歯を見せることが笑顔、みたいな。
ほら、よくあるスマイリーフェイスも、目は笑ってませんよね。
日本人が描く笑顔は、
なのに。
彼らはこの笑顔を、すれ違って目が合った人にも適用します。
この笑顔は、他者と会った時に、相手に
『敵意はありませんよ』
と表明しているんだろうな、と、わたしは解釈しています。
日本人は警戒心が強く、シャイなので、あまりしませんよね。
英語人スマイル、なんか、ワイルドですよね。さすが狩猟民族。
この特徴的なアメリカン・スマイルは、
写真をとる時にもいかんなく発揮されるわけです。
彼らは、カメラを向けると、もれなくこの笑顔をします。
日本人のように、上目遣いにおちょぼ口、なんてありえません。
アメリカに住んでいた頃、
我が子がこのスマイルをするようになったのに気付いたとき、
ちょっぴりショックだったのが思い出されます。
なんか、わたしの子がガイジンになっちゃった、みたいな。
今も、ぴかは完全にこの
英語人スマイルが写真顔ですね〜。
(
普通の笑顔の方が可愛いのに。。。。)
ししは、帰国して恥じらいを身につけたので、今はしません。
ぴいすの笑顔は、、、
ニッと笑いますが、すんごい目尻を垂らすので、日本式かな?
英語人にとって、相手を見ることは悪いことではありません。
コミュニケーションに誠実な態度として、
相手の目を見て話をするのはごく一般的なことです。
日本人には慣れないと、ちょっと居心地悪いですよね〜。
そして、さぁ、おまたせしました、中国人。
彼らは、、、基本、
笑いません(断言)!
目はマジ。本気と書いて、マジ。
お店やレストランなどで、
わたしに対して、地元の中国人が話しかけてくるとき、
お愛想の笑顔は皆無です!
結構、いや、かな〜り、ぶっきらぼうな表情です。
そして、目は
英語人同様、そらしません。
おそらく、慣れない人は
『えっっ、怒ってる?!』と思うことでしょう。
でも、大丈夫、彼らは全く怒ってません。
ただ、無用な笑顔をしない文化なのです。
ただ、相手をじっと見ることを失礼だと認識しないだけなのです。
ですから、肉体的にはほぼ同じ日本人と中国人ですが、
彼らの違いは一目瞭然です。
目力が違いすぎ。
広州人は、基本スッピンですが、彼らの目力は半端ないです。
マスカラも、アイラインにもかなわない、
ホンモノのパワーを持っています。
眼力が、まっすぐ飛んでいる。
相手が知らない人でも、ちょっと興味を持ったら、
遠慮なく、
ジーーーーーーーッッと観察。
(外国人や、複数人の子連れはよく観察対象となります。)
遠慮や恥じらいによって、それを制御し、
無意識的にフィルターをかけ、弱めている日本人の目とは、
明らかに違います。
ただ、中国人はかなり子供好きな人が多いので、
わたしから視線を移し、子供たちをみると、
とたんに相好を崩し、笑顔になります。
とても気持ちに忠実で、ある意味素直だなぁ、と思うのです。
言語を話す時には、表情や動作もその言語のものにすると、
格段にコミュニケーション効率が上がります。
で、我が身を振り返ってみると、
英語を話している時、ニッとスマイルするのはもちろん、
最近
中国語を話す時、
すんごいぶっきらぼうな顔をしている気がしてきました。
・・・少し、気をつけようかと思います。