消化器病学の専門ジャーナルに、慢性C型肝炎の標準治療に、ビタミンDサプリメントの併用投与による補完療法の有用性を示した臨床研究が、イスラエルのグループ(Hillel Yaffe Medical Center)から報告されていました。
(
World J Gastroenterol. 2011 Dec 21;17(47):5184-90.)
近年、C 型慢性肝炎に対する治療として、ペグインターフェロンとリバビリンとの併用療法が行われるようになり、著効率が有意に改善しています。
(本邦では、PEG-IFN-α2b とRBV の48 週併用療法が、2004 年12 月から保険適応となっています。)
ペグインターフェロンは、インターフェロンにペグ(ポリエチレングリコール)を結合させることで、安定したインターフェロンの血中濃度の維持を可能にしたインターフェロン製剤です。(週1回の注射)
ペグインターフェロンとリバビリンとの併用療法により、従来のインターフェロン療法では効果の低かったウイルス遺伝子型(ジェノタイプ)1型(セログループ1)かつウイルス量の多い場合にも高い治療効果が期待できます。
ビタミンDは、免疫調節作用を有しており、C型肝炎の抗ウイルス治療に際して、反応性を改善すると考えられています。
そこで、今回の研究では、慢性C型肝炎の標準治療に併用する形での、補完療法としてのビタミンDの有用性が検証されました。
具体的には、慢性C型肝炎患者(ジェノタイプ1型)72名を対象に、
・介入群(n = 36, 半数は男性、平均年齢 47 ± 11 歳)
PEG-IFN-α2b (1.5 μg/kg per week) とRBV (1000-1200 mg/d) の標準療法に、ビタミンD3 (2000 IU/d, target serum level > 32 ng/mL)を併用投与した群
・対照群(n = 36, 60%が男性、平均年齢49 ± 7 歳)
PEG-IFN-α2b とRBVの標準療法は同一で、ビタミンD3は投与しない群
アウトカムは、HCV-RNAが測定され(sensitivity, 10 IU/mL)、24週間の介入後の時点でのウイルス陰性化が判定されました。
HCV-RNA陰性化の割合は、
4週の時点で、介入群では16名(44%)であり、対照群では6名(17%)でした(P < 0.001)。
12週の時点では、介入群では34名 (94%)、対照群では17名 (48%)でした(P < 0.001)。
そして、24週の時点では、
介入群では31名(86%)、対照群では15名(42%)でした(P < 0.001)。
ウイルス量、肝繊維化の程度、ビタミンD投与といった因子が、いずれも、ウイルス陰性化と有意に相関していたということです。
なお、有害事象は軽度であり、Peg-α-2b/ribavirin療法に典型的なものでした。
以上のデータから、慢性C型肝炎の標準治療に、ビタミンD3サプリメントを併用投与する補完療法は、抗ウイルス効果を高めると考えられます。
今後、さらに検証が期待される分野です。
ビタミンDは、骨の健康維持や骨粗鬆症予防の必須栄養素として知られています。
近年、ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用なども見出されてきました。
また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。
今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。
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