息子の通所施設、保育園の卒園式が近付いてきた頃
だいちゃんのお姉ちゃんが亡くなったという知らせが届きました。
ちょうど、だいちゃんが何度かめの入院をしているときで
ICUから一般病棟に移ったという連絡を受けたころでした。
小児病棟というのは、今でも親の付き添いが24時間必要で
だいちゃんのお母さんも病院に付きっ切りになっていて
夜、代わりの人が見ていてくれる間に
食事の支度や、お風呂、少しの仮眠をとるために
家に帰っていたときのことだそうです。
お姉ちゃんがお風呂に入った後、だいちゃんのお母さんは
ウトウトしていて、しばらくしてお姉ちゃんがお風呂から
出てきていないことに気付いたそうです。
様子を見にお風呂に行って見ると、入浴中に
例の原因不明の発作が起きてしまったらしく
お姉ちゃんは溺れてしまっていたんだそうです。
慌てて救急車を呼んだものの、もう手遅れだったそうです。
気丈な彼女が、
「あのとき転寝してなければ
こんなことにはならなかったかもしれない...」
そう呟いたことがあります。
きっと彼女は看病で疲れきっていたでしょうし
お姉ちゃんもお風呂で発作さえ起きなければ
こんな事にはならなかったでしょう。
本当に不幸な偶然が重なってしまったせいで
決して彼女のせいではないのですが
自分を責めないで欲しいとしか伝えることはできませんでした。
神様なんていない...。
本気で思いました。
一生懸命に、諦めることなく努力を続けていたお姉ちゃん。
辛いことも、しんどいことも、すべて呑み込んで
明るく前向きに頑張っていただいちゃんのお母さん。
神様がいるというなら、こんなに酷い仕打ちはあるはずない。
目の前が真っ暗になりそうでした。
今でも思い出すと、悲しくて涙がでてきてしまいます。
彼女がどうやって乗り越えたのかは
彼女の心の中のことなので、私にはわかりません。
でもしばらくして会った彼女は、また笑顔に戻っていました。
きっと、心の中ではいろいろな思いがあったのでしょう。
けれど彼女は乗り越えてくれました。
あるいは乗り越えようとしていました。
そうして、そう時間もたっていないころに卒園式がやってきました。
みんなそれぞれに就学先も決まって、穏やかな早春の日
みんなそろって、元気に卒園式を迎えることができたんです。
誰ひとり欠けることなく...。
長くなりました。
あと1回だけ続きます。
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神様は、難しい問題ですね。
ここでいう神様は、宗教的な意味での神のことですが
でも確かに、自然のそこここに
小さな神が宿っているのを感じることもあります。
人間の考えるような、人間に都合のいい神は
やっぱりいないような気もしてます。
いるとしたら、それは自分の良心の中かもしれませんし
誰かから感じる優しい気持ちの中にこそ
いるような気がしています。
死からは誰からも逃れることはできませんが
どうか人生を全うして、幸せな気持ちを持って
逝きたいと願ってしまいます。