サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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トンカット・アリによる免疫調節作用 [2016年03月10日(木)]
植物療法研究の専門ジャーナル(電子版)に、トンカット・アリによる免疫調節作用を示した臨床研究が、マレーシアと日本の研究グループ(東京医科歯科大・オルトメディコ・明治薬科大学)から報告されていました。
(Phytother Res. 2016 Jan 27.)



トンカット・アリ(学名Eurycoma longifolia)は、東南アジア原産のハーブで、マレーシアの民間療法では強壮・催淫薬として用いられてきました。


近年、マレーシアを中心に、トンカット・アリ(Tongkat Ali)に関する研究が進められています。

例えば、トンカット・アリによる男性更年期障害改善作用を示した臨床研究も知られています。



トンカット・アリ標準抽出物には、主な成分のクワシノイド(quassinoid,変形テルペノイド)として、eurycomanone(ユーリコマノン)やeurycomanolなどが含まれています。



さて、

今回の研究では、

中年層の日本人において、

トンカット・アリ根抽出物による免疫調節作用が検証されました。



具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

被験者126名(うち84名は免疫指標(免疫力スコア(Scoring of Immunological Vigor: SIV)が低スコア)を対象に、

1日あたり200mgのトンカット・アリ抽出物(Physta®)
あるいは
偽薬のいずれかが4週間投与されています。


介入の前後で、
各種の免疫関連指標が測定されました。

83名が試験を完了し、
2名が除外され、
実薬群40名、偽薬群41名が解析の対象となりました。



解析の結果、

4週間後の時点で、

偽薬群に比べて、

実薬群では、

免疫指標(SIVおよび免疫的グレード)が有意に高値でした。
(p&#8201;<&#8201;0.05)


また、
T細胞数(total, na&#239;ve, CD4+ T)は、

偽薬群に比べて、

トンカット・アリ投与群において、有意に増加していました。
(p&#8201;<&#8201;0.05)


試験期間中、特に問題となる有害事象は認められていません。


以上のデータから、

日本人の中年男女において、

トンカット・アリ抽出物(Physta&#174;)による免疫調節作用が示唆されます。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。


免疫調節作用の検証に関して、古典的な指標では、ナチュラルキラー(NK)細胞の数や活性、リンパ球の数などさまざまなマーカーが用いられてきました。

ただし、免疫には多くの因子が関与していることから、網羅的に測定し、臨床的意義を検証する仕組みが必要となります。

そこで、今回の研究では、免疫機能の総合的な指標として、「免疫力スコア(Scoring of Immunological Vigor: SIV)」が用いられています。


機能性食品・サプリメントの成分では、免疫調節作用、免疫賦活作用を示す成分があります。
例えば、マイタケ抽出による免疫調節作用を調べた研究では、多くの指標が測定され、マイタケによる一定の作用が検出されていますが、被験者による個人差も見出されています。

がんに対するきのこ類、風邪・インフルエンザに対するエキナセアなどのように、臨床研究で有用性が示されているものも少なくありません。

今後、網羅的な免疫関連指標の解析により、免疫系へのテイラーメイドのアプローチとしての機能性食品・サプリメントの適正使用に関するエビデンスの構築が期待されます。





DHCでは、マカトンカット・アリを製品化しています。


また、
ED(勃起障害)対策サプリメントも製品化しています。





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喘息の小児はビタミンDにより風邪リスクが減少する:系統的レビュー [2015年08月29日(土)]
今月の英国栄養学ジャーナルに、小児の急性呼吸器感染症の予防に対するビタミンDサプリメントの効果を検証したレビュー
(Br J Nutr. 2015 Aug 27:1-9.)



近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用、抗炎症作用など、多彩な効果が示されています。


今回の研究では、
主要医学データベースを用いて、
(MEDLINE, EMBASE, the Cochrane Central Register of Controlled Trials)

18歳未満の小児を対象にしたランダム化比較試験において、

ビタミンDサプリメントあるいは偽薬を投与した臨床試験が抽出されました。

RCTの7報が解析された結果、

まず、
全被験者では、
急性呼吸器感染リスクの低下傾向が示唆されましたが、有意差はありませんでした。
(RR 0&#183;79, 95 % CI 0&#183;55, 1&#183;13)

全死亡率、
(RR 1&#183;18, 95 % CI 0&#183;71, 1&#183;94)

および
健常な小児での呼吸器感染症における病院への入院率への有意差も見出されませんでした。
(RR 0&#183;95, 95 % CI 0&#183;72, 1&#183;26)

一方、
喘息の既往を有する小児では、

ビタミンDサプリメント投与により、

喘息の増悪リスクが74%低下していました。
(RR 0&#183;26, 95 % CI 0&#183;11, 0&#183;59; test of heterogeneity, I 2= 0&#183;0 %)


以上のデータから、
喘息を既往を有する小児において、
ビタミンDサプリメントの有用性が示唆されます。





近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。


一般に、
健康保持や疾病予防、ヘルシーエイジングを目的としたビタミンD3サプリメントは、

1日あたり

25マイクログラム(1,000 IU)から、50マイクログラム(2,000 IU)が推奨されます


ビタミンD3サプリメントは、安全性、有効性、経済性に優れていますので、健康保持や疾病予防、あるいは多くの疾患での栄養状態を改善する前提条件に、ベーシックサプリメントとして広く利用されることが推奨できます。



多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。

米国での関連学会は、下記の推奨をしています。


米国老年医学会は、1日あたり4,000 IUを推奨

米国老年医学会(AGS)では、高齢者における転倒や骨折を予防するために、血中ビタミンD値(25OH-D)が30 ng/mL (75 nmol/L)は必要としています。

そして、ビタミンDの推奨量は、1日あたり4,000 IUとしています。

(これは、食事、サプリメント、日光暴露による総量です。
なお、この量は、現実的には食事のみからでは不可能であるため、サプリメントを利用することになります。)


米国内分泌学会は、1日あたり1,500 IU〜2,000 IUを推奨

米国内分泌学会のガイドラインでは、1日あたりの所要を男女とも年齢によって、次の3段階に分けています。
1歳未満の乳児は400〜1,000 IU、
1歳〜18歳では600〜1,000 IU、
19歳以上では1,500 IU〜2,000 IU


サプリメントでは、ビタミンD3が用いられます。





日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果


が知られています。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。


日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。


たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足


血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い

というデータがあります。




DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、

臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、

という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。



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posted at 23:55 | この記事のURL
HIV治療におけるビタミンD3サプリメント投与の有用性 [2015年08月21日(金)]
今日の夕方、東京駅近くの会議室で、学会誌に掲載用の座談会と、学会の臨時理事会がありました。
座談会では司会を務めさせていただきました。



さて、本日の私的なお勉強日記です。

今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、HIV治療におけるビタミンD3サプリメントの有用性を示した臨床研究が、米国とブラジルのグループから報告されていました。
(Nutr J. 2015 Aug 18;14(1):81.)



HIV感染での抗ウイルス療法(ART)では、

ARTによるビタミンD代謝への影響から、

ビタミンD欠乏のリスクが高まります。


ビタミンDは、免疫賦活作用を有しているため、HIV治療におけるビタミンD低下は好ましくないと考えられます。




そこで、今回の研究では、

HIV感染者において、ビタミンDの充足と臨床所見との相関が検証されました。


具体的には、
ART治療中でウイルス数が低い(HIV-1 RNA <50 copies/mL)HIV陽性の成人を対象に、

ビタミンD充足群とビタミンD不足群に分け、

(充足群と不足群は、血中25(OH)D値にて、30以上、あるいは 30 未満ng/mLで区分)


ビタミンD不足群には、

オープンラベル試験として、

50,000 IUのビタミンD3を1週間あたり2回、5週間投与し、
続いて、8000 IUを1週間に2回の投与として、24週間の介入が行われています。


主エンドポイントは、
24週間後の時点で、
25(OH)D値が、30 ng/mL以上に到達するかどうか、です。




97名が試験に参加し、

34名がビタミンD充足群、
63名がビタミンD不足群でした。

(女性32%、非白人47%、平均年齢46歳、ATR期間は5年間、CD4は 673 cells/mm(3))


ビタミンD値(25(OH)D)は、83%の被験者で回復しました。

これは、CD4数およびプロテアーゼ阻害剤の期間と有意に相関していました。


年齢、性別、人種で補正後、

efavirenz服用では、24週間後のビタミンD値が21.1 ng/mL高く、

zidovudine服用では、7.1 ng/mL低いこと、

また、
25(OH)Dが1 ng/mL増えるごとに、

CD4数が3.3 cell/mm(3)増加する、という相関が見出されました。
(p&#8201;=&#8201;0.06)


以上のデータから、

HIV感染者で、抗ウイルス治療を受けている患者では、ビタミンD不足が効率に見られること、

ビタミンD不足は、ビタミンD3サプリメントの投与により回復し、
それに伴って免疫関連指標も改善する
ことが示唆されます。




近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。


一般に、
健康保持や疾病予防、ヘルシーエイジングを目的としたビタミンD3サプリメントは、

1日あたり

25マイクログラム(1,000 IU)から、50マイクログラム(2,000 IU)が推奨されます


ビタミンD3サプリメントは、安全性、有効性、経済性に優れていますので、健康保持や疾病予防、あるいは多くの疾患での栄養状態を改善する前提条件に、ベーシックサプリメントとして広く利用されることが推奨できます。



多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。

米国での関連学会は、下記の推奨をしています。


米国老年医学会は、1日あたり4,000 IUを推奨

米国老年医学会(AGS)では、高齢者における転倒や骨折を予防するために、血中ビタミンD値(25OH-D)が30 ng/mL (75 nmol/L)は必要としています。

そして、ビタミンDの推奨量は、1日あたり4,000 IUとしています。

(これは、食事、サプリメント、日光暴露による総量です。
なお、この量は、現実的には食事のみからでは不可能であるため、サプリメントを利用することになります。)


米国内分泌学会は、1日あたり1,500 IU〜2,000 IUを推奨

米国内分泌学会のガイドラインでは、1日あたりの所要を男女とも年齢によって、次の3段階に分けています。
1歳未満の乳児は400〜1,000 IU、
1歳〜18歳では600〜1,000 IU、
19歳以上では1,500 IU〜2,000 IU


サプリメントでは、ビタミンD3が用いられます。





日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果


が知られています。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。


日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。


たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足


血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い

というデータがあります。




DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、

臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、

という報告もあります。

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シイタケの摂取が免疫力を高める [2015年04月20日(月)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、シイタケの摂取による免疫賦活作用を示した臨床研究が、米国のグループ(University of Florida)から報告されていました。
(J Am Coll Nutr. 2015 Apr 11:1-10.)




キノコ類に含まれるβグルカンは、免疫調節作用を有しています。


それぞれのキノコに含まれるβグルカンの種類と割合が異なり、機能性食品・サプリメントにも用いられています。



今回の研究では、

シイタケ(学名Lentinula edodes)による免疫調節作用が検証されました。



具体的には、

21歳〜41歳の健康な男女52名を対象に、


一日あたり5グラムあるいは10グラムのシイタケが4週間、投与され、

投与前後で免疫関連指標が測定されています。


また、末梢血由来の単核球は、24時間あるいは6日間、自己由来血清にて培養され、免疫能が調べられました。




解析の結果、

シイタケの4週間の摂取によって、

ex vivoでの免疫担当細胞の有意な増殖が見出されました。

[γδ(ガンマ・デルタ)T細胞(60% more, p < 0.0001) およびNK-T細胞 (2-fold more, p < 0.0001)]



いずれの細胞でも、

活性化受容体の発現能の促進が認められ、

シイタケの摂取により免疫細胞のエフェクター機能の亢進が推察されました。



また、唾液中のIgAの上昇が見出され、

消化管免疫の亢進が示唆されました。



さらに、炎症マーカーであるCRPの低下も示されています。



その他、

シイタケの摂取の前後において、

サイトカイン類のパターンが顕著に異なっていました。


シイタケ摂取後に、

IL-4、IL-10、TNF-α、IL-1αが上昇し、


マクロファージ炎症タンパクやケモカイン(MIP-1α/CCL3)値の減少が認められています。

なお、IL-6, IL-1β, MIP-1β, IL-17, IFN-γには、有意な変化は認められませんでした。




以上のデータから、

食品としてのシイタケの摂取による免疫賦活作用および抗炎症作用が示唆されます。



がん患者のQOL改善作用に関しては、

アガリクスや霊芝による効果が報告されています。

例えば、下記の研究があります。


アガリクスによるがん患者のQOL改善作用


コクランでは、霊芝のレビューが示されています。

霊芝(レイシ)のがん治療における臨床的意義




DHCでは、下記の機能性成分を製品化しています。




アガリクス 30日分
「神のキノコ」アガリクスのバリアパワーが、健やかな生涯をサポート




霊芝(れいし) 30日分
“幻のキノコ”霊芝パワーで健康生活




昆布+フコイダン 30日分
からだ本来の“はね返す力”を応援! 海洋由来の天然成分にサポート成分もプラス




フコイダン 30日分
海藻パワーでバランスを整える







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ビタミンD3サプリメントはアスリートの免疫力を高める [2015年04月15日(水)]
今月のスポーツ医学の専門ジャーナル(電子版)に、アスリートにおいて、ビタミンD3サプリメントによる免疫調節作用を検証した臨床研究が、英国のグループ(Loughborough University)から報告されていました。
(J Sports Sci. 2015 Apr 10:1-8.)



風邪/普通感冒など上気道炎への罹患は、アスリート/運動選手において問題になります。

例えば、マラソンや駅伝のトレーニング合宿では、上気道炎などの罹患に対する対策が重要です。

(トレーニングによる運動負荷のかかったアスリートでは、平均的な健常者に比べて、風邪/上気道炎の罹患リスクが高いことが知られています。)




さて、今回の研究では、

アスリートにおいて、

ビタミンD3サプリメント投与による免疫系への作用が検証されました。



具体的には、

冬季のトレーニング期間中のアスリート男性39名を対象に、

1日あたり5,000 IUのビタミンD3サプリメント

あるいは

偽薬が

14週間投与され、


安静時の血中カテリシジン (cathelicidin)値、

唾液中の分泌型IgA(SIgA)値、カテリシジン値、ラクトフェリン値、lysozyme値が測定されています。


(カテリシジン cathelicidinは、ヒトが産生する抗菌活性を有するペプチドの1種です。

カテリシジンの他に、ディフェンシンが知られています。

ビタミンDは、cathelicidinやディフェンシンの分泌を促進する作用を有しています。)



採血は試験開始時と終了時の2回、


唾液検体の採取は、7週後と14週後(=終了時)に行われました。




解析の結果、

まず、

血中ビタミンD値(25(OH)D値)は、

投与前に比べて、

ビタミンD3投与群では130%上昇し、

偽薬投与群では43%低下していました。

(両群とも投与前に比べて有意差あり;P = 0.001))





また、
血中cathelicidin値の変化率は、

偽薬群に比べて、

ビタミンD3投与群のほうで大きくなっていました。
(P = 0.025)



さらに、

唾液中の分泌型IgA値およびcathelicidin分泌は、

ビタミンD投与群においてのみ、有意な上昇が認められたということです。
(both P = 0.03)




以上のデータから、

冬季トレーニング期間中のアスリートにおいて、

1日あたり5,000 IUのビタミンD3サプリメント投与による免疫系への好影響が示唆され、

上気道炎や風邪など呼吸器系疾患への罹患リスクの低下効果が推察されます。






関連した研究として、次の報告があります。


ビタミンD・魚油・プロテインによる上気道炎の罹患回数減少効果
2/12/15 blog予定→





統合医療としてのサプリメント・機能性食品の分野では、
免疫賦活作用により自己治癒力を高め、
風邪やインフルエンザのリスク低下(予防)、発症時の重症度軽減を目的として利用する、
という考え方があります。


まず、
日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果


が知られています。


ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用などが知られています。



統合医療におけるインフルエンザ対策としては、
西洋医学によるワクチンや抗インフルエンザ薬に加えて、
漢方での麻黄湯、
ハーブとしてエキナセア
などが選択肢として考えられます。




主作用と副作用に関する科学的根拠に加えて、費用対効果を考慮する時、すでによく知られている抗インフルエンザ薬は第一選択ではないと思います。


漢方の証で適応があれば、麻黄湯が有効でしょう。


私は、風邪・インフルエンザ対策にはエキナセアを推奨しますし、実際に利用しています。


(なお、感染初期の短期に、高用量で摂取するのがポイントです。
例えば、風邪を引いたかなというときの第1〜2日目は2時間毎に摂取、
第3日目以降は漸減し、1週間で終了。
この摂取方法で、罹病期間の短縮と症状の軽減効果が期待できます。)




エキナセア(エキナシア,和名ムラサキバレンギク)は、北米原産のハーブです。

風邪(普通感冒、上気道炎)やインフルエンザの感染初期に、治療目的で投与され、症状の軽減と罹病期間の短縮効果が認められます。

また、風邪の予防目的にも利用され、罹患リスクの減少効果が知られています。



一般に、風邪予防・インフルエンザ予防には、
エキナセアビタミンD3の摂取が有効です。

また、罹患したときの対処(症状の軽減と罹病期間の短縮)としては、
エキナセア、亜鉛ビタミンCプロポリス
が有用です。

DHCでは複合サプリメント製品も扱っています。


(なお、症状を観察しつつ必要に応じて医療機関の受診も必要です。)




ハーブとしてのエキナセア(Echinacea species)は、E. angustifolia、E. pallida、E. Purpureaの3種が代表的です。

伝統的な投与方法では、主にE. Purpureaの全草(地上部や根、根茎,葉を含む全草)がチンキ剤として用いられます。

(乾燥末を用いたサプリメントでは、主要成分であるアルキルアミド類alkamidesの含有量で標準化されています。)




現在、サプリメント・健康食品は、健康保持や疾病予防を目的に広く利用されています。

また、
運動負荷に対して、アスリート・運動選手がサプリメントを利用する場合もあります。


運動時には、筋肉中などで活性酸素が発生し、酸化ストレス障害が生じます。

そこで、抗酸化作用を有するサプリメント成分の摂取によって、運動に伴う酸化障害の抑制が期待されます。


DHCでは、大学との共同研究にて、

DHCのコエンザイムQ10投与によって、運動負荷時の活性酸素による酸化障害の抑制作用を報告しています。



具体的には、

トレッドミルを用いた60分間の持久走の負荷に際して、運動前の1週間、DHCのコエンザイムQ10 およびビタミンC、ビタミンEを摂取した群では、摂取しなかった群に比べて、尿中8-OHdG値の上昇が抑制(=運動による酸化障害の発生が抑制)されたというデータです。

運動習慣を有する場合、

マルチビタミンマルチミネラルに加えて、





コエンザイムQ10、



αリポ酸、



ビタミンC(ハードカプセル)、



ビタミンBミックス


アミノ酸



を利用することが好ましいと考えられます。






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多発性骨髄腫におけるアガリクスの免疫調節作用 [2015年04月02日(木)]
多発性骨髄腫におけるアガリクスの免疫調節作用を検証した臨床研究が、欧米のグループ(ノルウェイOslo University、カナダToronto General Hospital、ベルギーUniversity of Liege)から報告されていました。
(Biomed Res Int. 2015;2015:718539.)





がんの標準治療に対する補完としては、キノコ系のサプリメントがよく知られています。


コクランにも、霊芝のレビューが示されています。
霊芝(レイシ)のがん治療における臨床的意義



さて、今回の研究では、

多発性骨髄腫(multiple myeloma)に対するアガリクスの免疫系への作用が検証されました。



具体的には、

二重盲検法により、

自家造血幹細胞移植および高用量の化学療法を施行する多発性骨髄腫患者40名を対象に、



アガリクス抽出物(82%含有)投与群:19名、

偽薬投与群:21名

の2群について、

幹細胞動員化学療法(stem cell mobilizing chemotherapy)開始日から、高用量化学療法により無形成に達するまで、約7週間の介入が行われました。



40名被験者全員が、生存のエンドポイントに到達し、

33名が研究のエンドポイントにて解析の対象となりました。



解析の結果、

幹細胞動員後に回収された白血球除去療法産物中において、



アガリクス投与群では、

制御性T細胞(Treg細胞、調節性T細胞)の有意な増加、

plasmacytoid樹状細胞 (PDCs)の有意な増加

が見出されました。




また、

エンドポイントにおいて、

アガリクス投与群では、

血中IL-1ra, IL-5, IL-7 a値の有意な上昇が見出されたということです。



その他、

全ゲノムマイクロアレイ解析では、

免疫グロブリン遺伝子の発現増加、

Killer Immunoglobulin Receptor (KIR) 遺伝子の発現増加、

HLA遺伝子の発現増加

も見出されました。



ただし、

治療反応性や生存率、新治療開始時間では優位な差は見出されていません。



以上のデータから、

化学療法施行中の多発性骨髄腫患者において、

アガリクス抽出物製品(AndoSan)による免疫調節作用が示唆されます。




ただし、今回の製品(AndoSan)では、治療反応や生存率には変化が見られなかったことから、

今後、レスポンダー/ノンレスポンダーの違いや、補完療法としての臨床的意義の検証が期待されます。





がん患者では、ハーブや各種のサプリメントの利用が報告されています。

特に、本邦では、きのこ由来のサプリメント・健康食品が、がんの補完療法として広く利用されています。

がんの治療や補完療法としての有用性として、霊芝やアガリクス、クルクミン(ウコン)の効果が示されてきました。


例えば、下記の研究があります。


アガリクスによるがん患者のQOL改善作用


コクランでは、霊芝のレビューが示されています。

霊芝(レイシ)のがん治療における臨床的意義



また、ウコン/クルクミンに関しては、標準治療に抵抗性の大腸がんやすい臓がんを対象に、
臨床試験第2相/第3相が行われています。


その他、欧州で行われた症例研究では、コエンザイムQ10投与による末期がん患者での延命効果が示されいます。




DHCでは、下記の機能性成分を製品化しています。



アガリクス 30日分
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ビタミンDによるアトピー性皮膚炎での免疫調節作用 [2015年03月24日(火)]
今月のアレルギー免疫研究の専門ジャーナルに、アトピー性皮膚炎の小児において、ビタミンDサプリメント投与による免疫調節作用を示した臨床研究が、イタリアのグループ(University of Chieti)から報告されていました。
(Int Arch Allergy Immunol. 2015 Mar 13;166(2):91-96)




ビタミンDは、免疫調節作用や抗炎症作用を有しており、健康保持や疾病予防に重要な役割を果たしています。


現在、多くの生活習慣病や慢性消耗性疾患において、ビタミンD不足が見出されており、ビタミンDサプリメントの利用が推奨されています。

(この場合の摂取量は、単に欠乏症を防ぐための量ではなくて、ある程度の用量を想定しています。
具体的には1日あたり1,000 IU〜4,000 IUあたりです。)



さて、今回の研究では、

アトピー性皮膚炎の小児におけるビタミンDサプリメント投与の働きが検証されました。



具体的には、

アトピー性皮膚炎の小児39名と

アレルギー性疾患のない健常対照群の小児20名

を対象に、

1日あたり1,000 IUのビタミンDが、3ヶ月間、経口投与され、


血中ビタミンD値が測定され、

アトピー性皮膚炎のスコアによる評価、
(SCORAD index)

各種サイトカイン類の血中濃度の測定、
(IL-2, IL-4, IL-6, IFN-γ, TNF-α)

などが調べられています。



解析の結果、

試験開始/投与前の時点では、

アトピー性皮膚炎患者では、


健常対象者に比べて、

TNF-α以外のサイトカイン類がすべて高値であり、正常範囲を超えていました。


3ヶ月間のビタミンDサプリメント(1,000 IU)投与後、

アトピー性皮膚炎の小児群では、

ビタミンD値が有意に増加していました。


(from 22.97 ± 8.03 to 29.41 ± 10.73 ng/ml; p = 0.01)



また、このとき、

SCORAD indexは、有意に減少(改善)していました。

(46.13 ± 15.68 at the first visit vs. 22.57 ± 15.28 at the second visit; p < 0.001)



さらに、

サイトカイン類も有意な減少(改善)を示しています。

(IL-2, IL-4, IL-6, IFN-γ)




以上のデータから、

アトピー性皮膚炎の小児において、
ビタミンDサプリメント投与による免疫調節作用、アトピー性皮膚炎の症状改善作用が示唆されます。






近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。


一般に、
健康保持や疾病予防、ヘルシーエイジングを目的としたビタミンD3サプリメントは、

1日あたり

25マイクログラム(1,000 IU)から、50マイクログラム(2,000 IU)が推奨されます


ビタミンD3サプリメントは、安全性、有効性、経済性に優れていますので、健康保持や疾病予防、あるいは多くの疾患での栄養状態を改善する前提条件に、ベーシックサプリメントとして広く利用されることが推奨できます。



多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。

米国での関連学会は、下記の推奨をしています。


米国老年医学会は、1日あたり4,000 IUを推奨

米国老年医学会(AGS)では、高齢者における転倒や骨折を予防するために、血中ビタミンD値(25OH-D)が30 ng/mL (75 nmol/L)は必要としています。

そして、ビタミンDの推奨量は、1日あたり4,000 IUとしています。

(これは、食事、サプリメント、日光暴露による総量です。
なお、この量は、現実的には食事のみからでは不可能であるため、サプリメントを利用することになります。)


米国内分泌学会は、1日あたり1,500 IU〜2,000 IUを推奨

米国内分泌学会のガイドラインでは、1日あたりの所要を男女とも年齢によって、次の3段階に分けています。
1歳未満の乳児は400〜1,000 IU、
1歳〜18歳では600〜1,000 IU、
19歳以上では1,500 IU〜2,000 IU


サプリメントでは、ビタミンD3が用いられます。





日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果


が知られています。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。


日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。


たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足


血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い

というデータがあります。




DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、

臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、

という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。









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posted at 23:57 | この記事のURL
マイタケによる骨髄異形成症候群での免疫調節作用 [2015年03月17日(火)]
がん免疫研究の専門ジャーナルに、骨髄異形成症候群において、マイタケによる免疫調節作用を示した臨床研究が、米国のグループ(MSKCC)から報告されていました。
(Cancer Immunol Immunother. 2015 Feb;64(2):237-47.)





今回の研究では、

マイタケサプリメント摂取による、

骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes; MDS)での免疫調節作用が検証されました。

具体的には、
臨床試験第2相として、

MDS患者21名を対象に、

マイタケ抽出物(3 mg/kg)の用量で1日2回)が12週間投与され、


主エンドポイントとして、
好中球数、
内在性の好中球産生、
酸化ストレス障害が測定されました。



21名中18名が試験を完了し、解析されました。


解析の結果、

マイタケ抽出物投与により、

好中球数の有意な増加
(p = 0.005)

単球機能の有意な亢進 (p = 0.021)
が認められました。


また、

E.coliに対する単球反応は、

正常対照群に比べて、

MDS患者群で有意に低下していたのに対して、
(p = 0.002)

マイタケ投与後には、有意に亢進しました。
(p = 0.0004)


なお、
無症候性好酸球増加が、4名の患者で認められています。
(p = 0.014)

アルブミン、ヘモグロビン、総蛋白などの変化は臨床的に有意ではありませんでした。


以上のデータから、

論文著者らは、

-- マイタケ抽出物は安全性が高いこと、

-- 好中球や単球の機能亢進を介してMDS患者における免疫機能改善作用が示唆されること、

を考察しています。



今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。






がん患者では、ハーブや各種のサプリメントの利用が報告されています。

特に、本邦では、きのこ由来のサプリメント・健康食品が、がんの補完療法として広く利用されています。

がんの治療や補完療法としての有用性として、霊芝やアガリクス、クルクミン(ウコン)の効果が示されてきました。


例えば、下記の研究があります。


アガリクスによるがん患者のQOL改善作用


コクランでは、霊芝のレビューが示されています。

霊芝(レイシ)のがん治療における臨床的意義



また、ウコン/クルクミンに関しては、標準治療に抵抗性の大腸がんやすい臓がんを対象に、
臨床試験第2相/第3相が行われています。


その他、欧州で行われた症例研究では、コエンザイムQ10投与による末期がん患者での延命効果が示されいます。





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posted at 23:57 | この記事のURL
高用量ビタミンDによるHIVの補完療法としての臨床的意義 [2015年02月27日(金)]
高用量ビタミンD投与によるHIV治療における補完療法としての効果を示した臨床研究が、米国のグループ(University of Pennsylvania)から報告されていました。
(PLoS One. 2015 Feb 23;10(2):e0117123.)




ビタミンDは、免疫調節作用や抗炎症作用を有しており、健康保持や疾病予防に重要な役割を果たしています。



現在、多くの生活習慣病や慢性消耗性疾患において、ビタミンD不足が見出されており、ビタミンDサプリメントの利用が推奨されています。

(この場合の摂取量は、単に欠乏症を防ぐための量ではなくて、ある程度の用量を想定しています。
具体的には1日あたり1,000 IU〜4,000 IUあたりです。)




さて、今回の研究では、

HIV感染者でもビタミンD不足が知られていることから、

高用量のビタミンD3投与による臨床的意義が検証されました。


具体的には、

12週間のランダム化二重盲検試験として、

ボツワナにおいて、

5歳から50.9歳のHIV感染者60名を対象に、

年齢別に5群に分けて、

1日あたり4,000 IUあるいは7,000 IUのビタミンD3が投与され、

血中ビタミンD値、副甲状腺ホルモン、HIVウイルス数(RNAのviral load)、CD4の%といった指標が測定されています。



被験者は、半数が男性であり、平均年齢は19.5±11.8歳でした。


試験開始時のデータは、

CD4% 31.8±10.4でした。


12週間後の解析の結果、


まず、

血中ビタミンD値は、

36±9ng/mlから56±18ng/mlへ有意に増加していました。

(p<0.0001)


25Dが32ng/ml以上の被験者の割合は、

68%から90%へ有意に増加していました。
(p = 0.02)



ビタミンDの変化率は、各用量とも同程度でした。



HIV感染の指標として、

7,000 IU投与群では、
CD4%は有意に増加し、

ウイルス量は有意に減少しました。


また、

5-13歳と30-50歳の群では、

14-29歳の群よりも、

血中ビタミンD値の変化(上昇)が顕著でした。



以上のデータから、


HIV感染者において、

高用量(4,000〜7,000 IU)のビタミンD3サプリメント投与は、安全であり、
HIV感染に対して標準治療との併用による補完療法としての一定の作用が期待されると考えられます。







近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。


一般に、
健康保持や疾病予防、ヘルシーエイジングを目的としたビタミンD3サプリメントは、

1日あたり

25マイクログラム(1,000 IU)から、50マイクログラム(2,000 IU)が推奨されます


ビタミンD3サプリメントは、安全性、有効性、経済性に優れていますので、健康保持や疾病予防、あるいは多くの疾患での栄養状態を改善する前提条件に、ベーシックサプリメントとして広く利用されることが推奨できます。



多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。

米国での関連学会は、下記の推奨をしています。


米国老年医学会は、1日あたり4,000 IUを推奨

米国老年医学会(AGS)では、高齢者における転倒や骨折を予防するために、血中ビタミンD値(25OH-D)が30 ng/mL (75 nmol/L)は必要としています。

そして、ビタミンDの推奨量は、1日あたり4,000 IUとしています。

(これは、食事、サプリメント、日光暴露による総量です。
なお、この量は、現実的には食事のみからでは不可能であるため、サプリメントを利用することになります。)


米国内分泌学会は、1日あたり1,500 IU〜2,000 IUを推奨

米国内分泌学会のガイドラインでは、1日あたりの所要を男女とも年齢によって、次の3段階に分けています。
1歳未満の乳児は400〜1,000 IU、
1歳〜18歳では600〜1,000 IU、
19歳以上では1,500 IU〜2,000 IU


サプリメントでは、ビタミンD3が用いられます。





日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果


が知られています。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。


日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。


たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足


血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い

というデータがあります。




DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、

臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、

という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。







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ビタミンDが高いとクロストリジウム菌感染リスクが低い@炎症性腸疾患 [2014年03月25日(火)]
今月の薬理治療学の専門ジャーナル(電子版)に、炎症性腸疾患患者において、血中ビタミンD値が高いと、クロストリジウム菌感染リスクが低いという相関を示した臨床研究が、米国のグループ(Harvard Medical School)から報告されていました。
(Aliment Pharmacol Ther. 2014 Mar 18.)




炎症性腸疾患の患者では、

クロストリジウム-ディフィシル(クロストリジウム-ディフィシレ)感染症(Clostridium difficile infection:CDI)のリスクが高いことが知られています。

(クロストリジウム菌の感染は、入院中の高齢者での院内感染としても見られます。)



ビタミンDは、免疫調節作用を有しており、感染リスクを低下させることが示唆されています。


例えば、

ビタミンDは、腸炎を軽減し、クロストリジウム毒素の作用を抑制する抗菌ペプチド・cathelicidin(カテリシジン)の産生を増やすことが知られています。




そこで、今回の研究では、

炎症性腸疾患患者におけるCDIリスクとの関連が調べられました。





具体的には、

3188名のIBD患者を対象にした多施設共同IBDコホート研究において、

CDIを発症した35名の解析が行われています。




CDI-IBD患者は、高齢である傾向が認められています。

血中ビタミンD値(25(OH)D)は、有意に低値でした。

(CDI患者群は20.4 ng/mL、非CDIのIBD患者では27.1 ng/mL) (P = 0.002)




多変量解析の結果、

血中25(OH)D値が1 ng/mL上昇するごとに、

CDIリスクが4%低下していました。

(OR 0.96, 95% CI 0.93-0.99, P = 0.046)





ビタミンD 値が20 ng/mL以上の患者に比べて、

20 ng/mL未満の患者では、

CDIリスクが2.27倍に達していました。



以上のデータから、

炎症性腸疾患患者では、血中ビタミンD値が高いと、クロストリジウム菌感染リスクが低いという相関が示唆されます。


今後、ビタミンDサプリメント投与などの介入試験による臨床的意義の検証が期待される分野です。






近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。


一般に、
健康保持や疾病予防の目的で利用されるビタミンD3サプリメントの摂取量は、
1日あたり
25マイクログラム(1,000IU)から50マイクログラム(2,000IU)です。


ビタミンDは、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な作用を有する脂溶性ビタミンの1種です。

多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。



日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果


が知られています。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。


日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。


たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足


血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い

というデータがあります。




DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、

臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、

という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。




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HIV感染初期におけるマルチビタミン・ミネラルサプリメントの意義 [2013年11月30日(土)]
今月の米国医師会ジャーナルに、HIV感染初期におけるマルチビタミンおよびセレンのサプリメント投与による免疫機能低下抑制作用を示した臨床研究が、米国のグループ(Florida International University)から報告されていました。
(JAMA. 2013 Nov 27;310(20):2154-63)




HIV感染初期において、微量栄養素(ビタミンやミネラル)の低下が生じることから、

マルチビタミン・ミネラルサプリメント投与の有用性が推測されます。





そこで、今回の研究では、

ART療法未治療の成人HIV感染者におけるマルチビタミン・ミネラルサプリメントによる微量栄養素投与の意義が検証されました。





具体的には、

ランダム化比較試験として、


HIV(サブタイプC)感染初期(CD4細胞数が350/μL以上)の成人で、ART治療開始前(未治療)の患者878名を対象に、


マルチビタミン(ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE)投与群、

セレン投与群、

マルチビタミン+セレン投与群

偽薬群

について24ヶ月の介入が行われました。



本試験は、2004年12月〜2009年7月の間にボツワナにて実施され、

CD4数が200/μL未満(2008年5月までに)、

CD4数が250/μL未満(2008年5月以降)

で標準治療のART開始となる割合が解析されています。




ITT解析の結果、

偽薬群に比べて、

マルチビタミン+セレン投与群では、

CD4数が250/μL未満となるリスクは54%低下していました。



また、

マルチビタミン+セレンサプリメントの投与は、

AIDS発症あるいはAIDS関連死といったリスクも44%低下させています。



なお、

HIVウイルス量に対してサプリメントの影響はみられていません。




以上のデータから、

HIV感染初期でART治療開始前の成人患者において、

マルチビタミン+ミネラル(セレン)サプリメントの投与は、感染初期の免疫機能低下を抑制することが示唆されます。



マルチビタミンやマルチミネラルサプリメントの補完療法としての臨床的意義が示唆されます。



(いうまでもなく、HIV感染に対しては、まず予防ありきです。次に、早期発見のための検査、標準治療の適応などが考えられます。)






一般に、マルチビタミンやマルチミネラルのサプリメントは、食事で不足しがちな必須栄養素を補う目的で用いられます。

したがって、よほど栄養状態に問題がある地域の対象者でないと、マルチビタミンで、がん予防や死亡率低下、という結果にはなりません。

(日本人の場合、現代の食生活では潜在的な栄養素の不足という問題は想定されますが、マルチビタミンの投与で死亡率低下というデータまでは検出できないと思います。)


(なお、マルチビタミン・ミネラルサプリメントによる抗がん作用や死亡率低下のメカニズムとしては、ビタミンCやビタミンE、セレンといった抗酸化作用を持つ成分が、酸化障害の抑制を介して、抗がん作用および生活習慣病予防効果を示す、となります。)



マルチビタミンサプリメントとがんに関して、

最近では、

50歳以上の米国の男性医師14,641名を対象にした研究で、

マルチビタミンによるがんリスク低減効果

というデータが報告されています。



また、

マルチビタミン・ミネラルと死亡率の関係:メタ解析


という報告もあります。





なお、健康増進及び疾病予防には、適切な食習慣や運動習慣が基本であり、サプリメント・健康食品がそれらに置き換わるわけではありません。


医療専門誌によるマルチビタミン摂取の推奨論文としては、次の2つがよく知られています。

(1)NEJM誌(1998)の論説

「Eat Right and Take a Multivitamin」

『適切な食事を摂り、マルチビタミンも利用しましょう』

(神経管欠損症予防、動脈硬化性疾患予防の意義)

(Oakely GP. NEJM. 1998 Editorial )


(2)JAMA誌(2002)の総説

「Vitamins for chronic disease prevention in adults」

『成人は、毎日、マルチビタミンサプリメントを摂取するべき』

(先進国では欠乏症は稀であるが、至適濃度を下回ることのリスクがある。)

(Fletcher.et al. JAMA. 2002 )





DHCでは、適正な価格で高品質のマルチビタミンマルチミネラルカルシウム・マグネシウムを提供しています。




また、各種カロテノイドを含むマルチカロチンの他、リコピンルテインなども製品化しています。





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ビタミンD3サプリメントによる高齢者の感染リスク抑制効果 [2013年10月16日(水)]
台風26号で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。



今月の臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、抗生物質の投与時における補完療法としてのビタミンDサプリメントの作用を調べた臨床研究が、オーストラリアのグループ(Queensland University of Technology)から報告されていました。
(Am J Clin Nutr. 2013 Oct 9.)



ビタミンDは、免疫調節作用を有しており、感染症リスクを低下させることが示唆されています。


例えば、日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果

が知られています。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。




さて、今回の研究では、

抗生物質利用時におけるビタミンDサプリメントの働きが調べられました。



具体的には、

2010年10月から2012年2月の間に、

ランダム化比較試験として、

60歳から84歳の
オーストラリア居住者644名を対象に、


・偽薬投与群(n = 214)、


・ビタミンD3サプリメント(1ヶ月あたり30,000 IU) (n = 215)、


・ビタミンD3サプリメント(1ヶ月あたり60,000 IU) (n = 215)


の3群に分けて12ヶ月までの介入が行われました。



抗生物質の投与は、ビタミンD3サプリメント介入期間中、健康保険の薬剤履歴によって確認されています。



解析の結果、

偽薬投与群に比べて、

ビタミンD3サプリメント(60,000 IU)投与群では、

抗生物質投与を必要とする感染リスクが1回以上、少ない傾向(28%リスク低下傾向)が認められたということです。

(RR: 0.72; 95% CI: 0.48, 1.07)




年齢別の解析では、

70歳以上の群において、

高用量ビタミンD投与群は、

偽薬投与群に比べて、


抗生物質利用の有意な減少(47%の減少)が認められました。
(RR: 0.53; 95% CI: 0.32, 0.90)


70歳未満では、有意差は示されていません。
(RR: 1.07; 95% CI: 0.58, 1.97)




以上のデータから、

高齢者へのビタミンD3(1ヶ月あたり60,000 IU)サプリメントの投与による

感染症リスク低下作用・抗生物質利用の減少作用が示唆されます。





一般に、
健康保持や疾病予防の目的で利用されるビタミンD3サプリメントの摂取量は、
1日あたり
25マイクログラム(1,000IU)から50マイクログラム(2,000IU)です。


ビタミンDは、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な作用を有する脂溶性ビタミンの1種です。

多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。



日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果


が知られています。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。


日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。


たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足


血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い

というデータがあります。



DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、
という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。







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海藻由来フコイダンによる免疫調節作用 [2013年09月16日(月)]
今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、インフルエンザ予防接種における、海藻由来フコイダンの免疫系への作用を調べた臨床研究が、日本のグループ(武庫川女子大学, 理研ビタミン)から報告されていました。
(J Nutr. 2013 Sep 4)





フコイダンは、モズクやワカメ、昆布などの海藻類に存在する多糖類です。


海藻のヌルヌルした成分の一つで、生活習慣病等に対する効果が報告されています。




高齢者では、インフルエンザワクチンの予防接種に対して、十分な免疫反応が得られないことがあります。



フコイダンは、免疫調節作用を有する機能性成分です。




そこで、今回の研究では、インフルエンザワクチン接種後の高齢者におけるメカブフコイダンの免疫機能への作用が調べられました。


具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

60歳以上の被験者70名を対象に、


1日あたり300mgのメカブフコイダン投与群

あるいは

偽薬群の2群について、4週間の投与が行われ、


続いて、

季節性インフルエンザワクチンの接種が行われました。




ワクチン接種後5週間と20週間の時点で採血され、

抗体価とNK細胞活性が測定されました。




解析の結果、

偽薬群に比べて、

メカブフコイダン投与群では、

季節性インフルエンザワクチンの3種類のウイルス株すべてに対する抗体価が有意に上昇していました。



また、

メカブフコイダン投与群では、

NK細胞活性が投与9週後から有意な増加を示しました(P = 0.08)。



一方、偽薬群では、9週から24週間にかけて、NK細胞活性は低下していました。




以上のデータから、

メカブフコイダンは、

高齢者において、

免疫調節作用を介して、インフルエンザワクチンの有効性を高めることが示唆されます。




今後、ワクチン接種後のインフルエンザ罹患率や重症度への影響など、臨床的意義の検証が期待される分野です。





フコイダンは、フコースを主成分として硫酸基やウロン酸などが結合した多糖類(硫酸化ポリフコース多糖類)の総称です。


原材料となる食用褐藻類(オキナワモズク、フトモズク、ヒバマタ、メカブ等)の種類によって、
フコイダンの種類や含有量が異なっており、生理作用にも違いがあるとされます。



基礎研究では、フコイダンの抗酸化作用、アポトーシス誘導による抗がん作用、抗菌作用等が示されてきました。

その他、胃粘膜保護作用や胃潰瘍治癒促進作用についての報告も知られています。


DHCでは、

フコイダンサプリメントを製品化しています。




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キノコ類によるIL-23を介した免疫調節作用 [2013年05月23日(木)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、シイタケなどのキノコ類による免疫調節作用のメカニズムを調べた基礎研究が、米国のグループ(Oklahoma State University)から報告されていました。
(Nutr Res. 2013 May;33(5):388-396.)



キノコ類には、ベータグルカンなどの多糖類が含まれており、免疫調節作用を介した抗がん作用や生活習慣病予防作用などが示唆されています。


そこで、食用キノコや薬用キノコは、健康食品・サプリメントの成分としても用いられています。



例えば、アガリクス霊芝メシマコブ、マイタケ
などです。



これらのキノコ類に関する研究として、まず、多くの基礎研究で抗がん作用や免疫調節作用が知られています。
臨床研究では、QOL改善作用を示した報告などがあります。
(がんの補完療法としてのRCTを組むのは容易ではありません。)

また、食用キノコとしてシイタケ(Lentinus edodes)には、有効成分としてレンチナン((1-6,1-3)-β-グルカン)が含まれています。





インターロイキン-23(IL-23)は、炎症性サイトカインの1つで、病原体の感染が生じたときに、樹状細胞やマクロファージで産生されます。

(樹状細胞は、抗原提示細胞として働く免疫細胞の1種です。)


IL-23の受容体は、Th17細胞に発現しており、Th17の増殖や安定化に関与しています。



先行研究では、

HL60細胞において、食用キノコ類由来抽出物投与による抗菌物質α-ディフェンシンの増加が示されています。




今回の研究では、各種の食用キノコ類摂取によるIL-23産生と腸管炎症への影響が調べられました。



具体的には、8週齢のC57BL/6マウスを用いて、

対照群

あるいは、

5%シャンピニオン(White button mushroom、学名Agaricus bisporus)投与群、

5%ポルタベッラ(portabella)投与群、

5%シイタケ投与群

の各群(n=7〜8)について6週間の介入が行われました。



6週間の最後の5日間に、

in vivoおよびin vitroにて3%DDS誘導性サイトカイン分泌の測定が行われ、

各キノコ類投与によるIL-23分泌が測定されています。






まず、

DSS非投与群では、

キノコ類投与によって、血中IL-23値の有意な増加とIL-6の有意な低下が認められました。(P < .05)



次に、

DDS投与群では、

キノコ類投与によって、IL-6とIL-23の有意な増加が見出されています。
(P < .05)




さらに、

キノコ類は、

カードラン(curdlan)誘導性IL-23分泌を亢進し、

キノコ類のIL-23分泌促進は、

ラミナリン (laminarin)投与による阻害が認められなかったことから、

デクチン-1(dectin-1)依存性および非依存性の2つの経路を介して作用すると考えられます。





いずれのキノコ類投与でも大腸でのIL-6上昇は認められましたが、

WBMとシイタケの2群において、IL-23値の上昇が見出されました。




以上のデータから、

これらの食用キノコ類は、IL-23を介した腸管免疫調節作用を有すると考えられます。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。





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シイタケによる免疫細胞への作用 [2011年12月21日(水)]
薬用キノコ研究の専門ジャーナルに、シイタケによる免疫細胞への影響を検討した臨床研究が、ノルウェイのグループから報告されていました。
(Int J Med Mushrooms. 2011;13(4):319-26.)



キノコ類には、ベータグルカンなどの多糖類が含まれており、免疫調節作用を介した抗がん作用や生活習慣病予防作用などが示唆されています。


そこで、食用キノコや薬用キノコには、健康食品・サプリメントの成分として用いられているものがあります。


例えば、アガリクス霊芝などです。




これらのキノコ類に関する研究では、まず、多くの基礎研究で抗がん作用や免疫調節作用が知られています。

臨床研究では、QOL改善作用を示した報告などがあります。

(がんの補完療法としてのRCTを組むのは容易ではありません。)


また、食用キノコとしてシイタケ(Lentinus edodes)には、有効成分としてレンチナン((1-6,1-3)-β-グルカン)が含まれています。



さて、今回の研究では、健康な高齢の白人を対象に、レンチナンを経口投与し、免疫細胞系への影響が調べられました。



具体的には、健常者42名を対象に、2群に分けて、

・1日あたり2.5rのレンチナン(Lentinex)、

あるいは

・偽薬

が6週間投与されています。

(二重盲検クロスオーバー偽薬対照試験。wash-outは4週間)



解析の結果、
B細胞数については、介入群と偽薬群との間に有意な差が認められています。

(シイタケ投与群において、B細胞数が有意に増加。)


NK細胞数は、両群にて有意に増加しており、両群間での有意差は見出されていません。


その他、免疫グロブリン、補体、サイトカイン類には変化は示されませんでした。



安全性に関する指標(CBC、肝機能、腎機能、その他血液生化学検査)には有意な変化は示されておらず、有害事象について両群間で差は認められていません。



以上のデータから、健康な高齢白人において、シイタケ由来のβグルカンであるレンチナンの投与は、B細胞数を増加させることで、免疫系への作用が示唆されます。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。


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セレンによる免疫調節作用の機序 [2011年03月31日(木)]
東日本大震災により被害を受けられた皆様に,心からお見舞いを申し上げます。

被災地の一日も早い復旧,復興を心よりお祈り申し上げます。


なお,私どもDHCによる支援活動は,こちら
「東日本大震災 被災地への支援活動について」

からご確認いただけます。







今月の科学誌に,セレンサプリメントによる免疫調節作用に関する分子メカニズムを検証した臨床研究が,英国のグループから報告されていました。
(PLoS One. 2011 Mar 21;6(3):e14771.)



セレンは,抗酸化作用を有する必須ミネラルの1種です。


抗酸化作用や免疫調節作用を介した抗がん作用が示されており,がん予防の臨床研究にも用いられています。

一方,生体の免疫調節に対して,セレンによる分子調節メカニズムは明確ではありませんでした。


そこで,今回の研究では,セレン投与による血中セレン含有タンパク質の遺伝子発現およびインフルエンザワクチンに対する免疫反応について検証されました。


具体的には,ボランティア119名を対象に,

1日あたり200マイクログラム,100マイクログラム,50マイクログラムのセレン(含有酵母),偽薬,

あるいは,セレンの豊富な食材(玉ねぎ,セレン50マイクログラム/日)の有無で分けた食事
の投与が12週間行われています。



末梢血でのセレノプロテインmRNA発現が測定された結果,
セレンの豊富な食事摂取群では,対照食群に比べて,SEPW1(セレノプロテインの1種)の有意な増加が認められています。


また,10週間の時点で,偽薬群に比べて,200マイクログラムのセレン含有酵母サプリメント投与群では,SEPW1発現の有意な低下が見出されました。

(その他の時点や投与群では有意差は示されていません。)


さらに,インフルエンザワクチンチャレンジ7日後の時点で,SEPS1発現の増加が示されており,セレンサプリメントとの用量依存的な相関が見出されたということです。



以上のデータから,セレノプロテインの1種であるSEPS1が,免疫調節作用に関与し,セレンサプリメント投与に反応することが示唆されます。


今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。




セレンや亜鉛などは,必須ミネラルであり,生体の恒常性維持,免疫調節などに重要な役割を担っています。



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アロエベラによる免疫調節作用 [2010年04月04日(日)]
薬理学の専門ジャーナルに,アロエベラによる免疫調節作用を示した基礎研究が,韓国のグループから報告されていました。
(Arch Pharm Res. 2010 Mar;33(3):451-6.)


アロエには,aloctin Aやacemannanといった免疫機能に作用するとされる成分が存在します。


しかし,これまでの実験は主にin vitro系・培養細胞での研究,あるいはin vivo系では腹腔投与や筋肉内投与による研究でした。


そこで,今回の研究では,マウスを用いて,アロエベラ(Aloe vera gel)の経口摂取による免疫系への働きが検討されています。


アロエベラ経口投与の結果,カンジダ(C. albicans)を静脈投与したマウス(カンジダ感染モデルマウス)の脾臓および腎臓におけるカンジダの増殖が有意に抑制されたということです。


また,カンジダ感染・糖尿病モデルマウスにおいても,アロエベラ投与によるカンジダ増殖の有意な抑制作用が認められました。


さらに,アロエベラ投与は,正常マウスにおける細胞傷害性Tリンパ球を増加させることはない一方,高脂肪食負荷糖尿病モデルマウスにおいて増加を生じました。



以上のデータから,アロエベラの経口投与によるin vivoでの免疫調節作用が示唆されます。


今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。


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乳酸菌による風邪の症状軽減効果 [2009年08月25日(火)]
今月の小児科学の専門ジャーナルに,小児の風邪やインフルエンザに対するプロバイオティクスの効果を示した臨床研究が,米国のグループから報告されていました。
(Pediatrics. 2009 Aug;124(2):e172-9.)



乳酸菌やビフィズス菌などの有用な微生物は,ヒトの消化管内において,腸内細菌叢のバランスを整える働きがあり,免疫賦活作用や抗アレルギー作用が知られています。


このような有益な微生物をプロバイオティクスと総称します。


各種のヨーグルトに含まれる乳酸菌ビフィズス菌の他,ケフィアといった食品が該当します。





さて,今回の研究では,冬季に健康な小児がプロバイオティクスを摂取することで,風邪やインフルエンザの症状に対する効果が得られるのかどうか,検討されています。


具体的には,3歳から5歳の小児326名を対象に,偽薬投与群(n=104),ラクトバシラス・アシドフィルス菌(乳酸菌の1種Lactobacillus acidophilus NCFM)投与群(n=110),ラクトバシラスNCFMとビフィドバクテリウム(Bifidobacterium animalis)の併用群(n=112)の3群に分けて,1日2回,6ヶ月間の投与が行われました。
(ランダム化偽薬対照二重盲検法)



試験の結果,偽薬群に比べて,乳酸菌投与群(単独投与あるいは併用投与)群では,

発熱の発生が53.0% (P = .0085)あるいは72.7% (P = .0009)減少,

咳嗽の発生が41.4% (P = .027) あるいは62.1% (P = .005)減少,

鼻漏(鼻水)の発生が28.2% (P = .68) あるいは58.8% (P = .03)減少

というデータが得られています。


また,発熱,咳嗽,鼻漏の持続期間は,偽薬群に比べて,乳酸菌投与群では,それぞれ有意に低下しています。


さらに,偽薬群に比べて,乳酸菌投与群では病欠の日数が有意に少なかった,というデータも示されました。



以上のデータから,冬季における小児の乳酸菌摂取は,風邪やインフルエンザに伴う諸症状を軽減することが示唆されます。




乳酸菌やビフィズス菌,ケフィアなどのプロバイオティクスは,ベースサプリメントとして広い年代の方に推奨できる機能性食品成分と考えられます。



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ヨーグルトの免疫賦活作用 [2008年05月09日(金)]
今月の栄養学の専門誌に、乳酸菌による免疫賦活作用を示したヒト臨床研究が、ドイツのグループから報告されていました。
(Eur J Clin Nutr. 2008 May;62(5):584-93.)


今回の研究は、乳酸菌(L. acidophilus 74-2とB. lactis 420)による腸内細菌叢への作用、脂質代謝および免疫系への影響を検討する目的で、偽薬対照二重盲検ランダム化クロスオーバー法にて行われています。

健康なボランティア26名(平均年齢25歳)を対象に、1日あたり300グラムのヨーグルト(該当乳酸菌含有あるいは対照)を5週間摂取させ、血液などの検体が解析されました。


その結果、乳酸菌投与群では、顆粒球と単球の食作用が有意に促進されたということです。

脂質代謝では、血中コレステロール値には有意な変化は認められませんでしたが、中性脂肪値が有意に低下(11.6%低下、p<0.05)しています。


以上のデータから、乳酸菌による免疫賦活作用および脂質代謝改善作用が示唆されます。


DHCでは、善玉菌を手軽に摂取できる「ビフィズス菌+オリゴ糖」を扱っています。
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HIVと免疫賦活サプリメントパック [2008年02月04日(月)]
免疫賦活作用を有するサプリメントに関する調べものをしていたら、UCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)の医師による研究データ集に目がとまりました。

慢性消耗性疾患に対する栄養サプリメント療法の研究を行っており、主にHIV患者を対象に、サプリメントを用いて効果が得られているようです。


米国の大手製薬メーカーとの共同研究という形式で、「HIVマクロ栄養研究」を実施し、免疫機能の改善効果が示されています。

このとき利用されたのは、特別な抗HIV治療薬ではなくて、マルチビタミン/マルチミネラル/αリポ酸400mg/カルニチン(アセチル-L-カルニチン1,000mg)/システイン(NAC1,200mg)といったサプリメント成分のパックです。

研究データは、AIDSやJAIDSといったきちんとした専門ジャーナルに発表されています。
(JAIDS 2006;42:523-528)



HIVに対しては抗ウイルス薬による標準治療がありますので、日本や欧米では栄養サプリメントだけというよりは、補完療法としての位置づけになりうると思います。

一方、感染の蔓延が深刻になっているアフリカ諸国では、高価な抗ウイルス薬を待つよりは、今回のような栄養療法にて免疫賦活作用を得ることも選択肢の一つと考えられます。
(一般に、慢性消耗性疾患では栄養状態も良くないことが多いためです。)



しかし、臨床研究を行ったUCSFの医師によると、結局、大手製薬メーカーの協力が得られなくなり、研究が中断してしまった、ということでした。



メガファーマとしては、栄養サプリメントなどの効果を確かめるよりは、高価な抗ウイルス薬を開発し特許取得後に独占販売するほうが、大きな利益につながるというビジネスモデルを優先するのかもしれません。
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