サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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オリーブポリフェノールによる神経保護作用 [2012年01月02日(月)]
今月の神経学研究の専門ジャーナルに、オリーブポリフェノール・オレユロペンによる神経障害保護作用を示した基礎研究が、イランのグループ(Lorestan University of Medical Sciences)から報告されていました。
(Neurol Res. 2012 Jan;34(1):44-51.)




オリーブ(オリーブ・リーフ(葉)やオリーブ・オイル)には、オレユロペンやヒドロキシチロソールなどのファイトケミカルが豊富に含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を介した生活習慣病の予防や改善効果が示唆されています。




今回の研究では、オレユロペンによる神経保護作用が検証されました。



具体的には、脊髄損傷モデルラットを用いて、

・シャム手術群(対照群)

・神経損傷群

・オレユロペン投与群(脊髄損傷1時間後に20mg/kg, ip)

に分けて(各群n=21)、24時間後の脊髄サンプルが解析されました。


その結果、
オレユロペン投与群では、酸化障害の指標であるMDAの有意な低下、抗酸化活性の指標であるグルタチオン活性の有意な亢進が認められたということです。




また、オレユロペン投与群では、
Bcl-2発現の亢進、Bax発現の抑制も見出されました。

(Bcl-2はアポトーシスを抑制し、Baxはアポトーシスを誘導する分子です。)


さらに、オレユロペン投与群では、脊髄損傷群に比べて、TUNEL法による測定で、アポトーシスの減少が示されています。

(TUNEL法;TdT-mediated dUTP nick end labelingとは、組織中での細胞がアポトーシスを起こしているかどうかを検出する測定法です。)




以上のデータから、オリーブポリフェノールのオレユロペンによる神経保護作用(抗酸化作用を介した神経損傷時のアポトーシス抑制作用)が示唆されます。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。






DHCでは、オリーブリーフ含有サプリメントを製品化しています。



オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用、動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています。




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エクストラバージンオリーブオイルによる認知機能の改善作用 [2011年10月03日(月)]
アルツハイマー病研究の専門ジャーナル(電子版)に、エクストラバージンオリーブオイルによる記憶・認知機能の改善作用を示した基礎研究が、米国のグループ(St. Louis University School of Medicine)から報告されていました。
(J Alzheimers Dis. 2011 Sep 28)



エクストラバージンオリーブオイルには、オリーブポリフェノールが豊富に含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を介した生活習慣病の予防効果が示唆されています。


さて、今回の研究では、加齢に伴って生じる記憶や学習能力の低下に対する、エクストラバージンオリーブの作用が検証されました。


具体的には、老化促進モデルマウス(SAMP8)を用いて、エクストラバージンオリーブ、ココナッツオイル、あるいはバターを6週間投与し、認知機能への影響が測定されています。

(このモデルマウスでは、アミロイドβタンパク質の増加、脳組織の酸化障害に伴って、記憶や学習障害が認められます。)


解析の結果、迷路試験や新規目標認知などの指標に関して、
エクストラバージンオリーブ投与群では、ココナッツオイル投与群やバター投与群に比べて、
認知行動機能の改善、抗酸化能の亢進が認められたということです。

(T-maze retention、one-trial novel object recognition、SODなど)



以上のデータから、エクストラバージンオリーブによる認知機能の維持・改善作用が示唆されます。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。





オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。


オリーブオイルを多用する地中海食は、心臓病などの生活習慣病の予防効果を示し、抗炎症作用を有する抗炎症ダイエットであることがわかっています。



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オリーブポリフェノールによる抗炎症作用 [2011年09月08日(木)]
薬理学の専門ジャーナル(電子版)に、オリーブポリフェノールのオレユロペンによる抗炎症作用を示した基礎研究が、イタリアのグループ(University of Messina)から報告されていました。
(J Pharmacol Exp Ther. 2011 Aug 31.)



オリーブオイルやオリーブリーフ(葉)には、ポリフェノールの1種であるオレユロペンが含まれています。



今回の研究では、オレユロペンによる抗炎症作用が検証されました。


具体的には、実験的に関節症を誘導したマウスに対して、関節症発症25日目にオレユロペン・アグリコンの投与を開始したところ、発症26日〜35日の時点で臨床症状が軽減(改善)したということです。



このとき、関節の組織学的所見も改善しています。


また、関節でのiNOS発現増加、血中の炎症惹起性サイトカイン類の有意な低下も示されました。



以上のデータから、オリーブポリフェノール・オレユロペンによる抗炎症作用を介した関節症の症状軽減効果が示唆されます。



今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。






DHCでは、オリーブリーフ含有サプリメントを製品化しています。




オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用、動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています。





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オリーブオイルによるがん予防 [2011年08月25日(木)]
脂質研究の専門ジャーナルに、オリーブオイルの摂取によるがんリスクの低下を示した研究が報告されていました。
Lipids Health Dis. 2011 Jul 30;10(1):127.)




食事に含まれる脂質の種類や量が、がんの予防や発症に関係することが知られています。


今回の研究では、オリーブオイルあるいは単価不飽和脂肪酸と、がんとの関連が検証されました。


具体的には、1990年から2011年3月までに発表された研究が検索され、合計38報(研究)が抽出され、最終的に19報の症例対照研究が解析されています。



がん患者13800例、対照者23340例を対象にメタ解析が行われました。



オリーブオイルの摂取量に関して比較したところ、摂取量が最も少ない群に比べて、最も多い群では、あらゆるタイプのがんリスクが有意に低下した、ということです。
(OR: = -0.41, 95%CI -0.53, -0.29)


特に、オリーブオイルの摂取が多いと、乳がん(OR=-0,45 95%CI -0.78 to -0.12)や消化器系のがん(OR=-0,36 95%CI -0.50 to -0.21)のリスク低下が顕著に認められています。





以上のデータから、論文著者らは、オリーブオイルの摂取による発がんリスクの低下効果が支持されるとしています。





この抗がん効果が、
オリーブオイルに多いオレイン酸の単価不飽和脂肪酸としての作用なのか、あるいは、
オリーブオイルに含まれるオリーブポリフェノールによる働きなのか、
(両方ともある程度は関与すると考えられますが)、
詳細な作用メカニズムについて、解明が期待されます。





オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用、動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています。





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オリーブポリフェノールによるアクリルアミド誘導性障害予防作用 [2011年07月26日(火)]
今月の毒性学の専門ジャーナル(電子版)に、オリーブポリフェノールによるアクリルアミド誘導性酸化障害予防作用を示した基礎研究が、スペインのグループ(ICTAN)から報告されていました。
(Toxicology. 2011 Jul 12.)



オリーブ(オリーブ・リーフ(葉)やオリーブ・オイル)には、オレユロペンやヒドロキシチロソールなどのファイトケミカルが豊富に含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を介した生活習慣病の予防や改善効果が示唆されています。




アクリルアミドは、加熱した食品に微量に含まれることがあり、有毒な化学物質とされています。


食品にもアクリルアミドが含まれることが見出されたのは比較的最近のことで、平均的な食品からの摂取量による人体への影響や臨床的意義については現在も研究が進められています。


アクリルアミドは、炭水化物を多く含む食材を高温で加熱調理した食品に含まれることがあります。

代表的なものに、ポテトチップスやフライドポテトなどじゃがいもを揚げた食品、ビスケットやクッキーなど穀類を用いた焼き菓子などに高濃度に含まれていることが知られています。

(アミノ酸の一種のアスパラギンと、果糖やブドウ糖などの還元糖が、加熱によりアミノカルボニル反応(メイラード反応)を生じて、その過程でアクリルアミドが生成すると考えられています。)


アクリルアミドの有毒性のメカニズムとして、酸化ストレス障害があります。


そこで、アクリルアミドの有害性に対する生体の防御のために、ファイトケミカルやポリフェノールなど抗酸化成分の摂取が考えられます。



例えば、オリーブオイルや葉に含まれるオリーブポリフェノールの1種、ヒドロキシチロソールは、抗酸化作用を有し、細胞内の抗酸化能を亢進することが示されています。



そこで、今回の研究では、Caco-2小腸細胞培養系(ヒト大腸がん由来細胞株)において、アクリルアミドの細胞毒性とレドックス反応への影響が測定されました。


解析の結果、アクリルアミドによる細胞毒性は、ヒドロキシチロソールによって抑制され、活性酸素の産生が顕著に抑えられたということです。


このとき、抗酸化能の亢進、アクリルアミドによるphospho-Junキナーゼ値の抑制、caspase3活性の抑制が認められました。


以上のデータから、

Caco-2細胞系では、アクリルアミド誘導性細胞毒性とアポトーシスは、酸化障害と関連しており、

オリーブポリフェノールのヒドロキシチロソールは、抗酸化能の亢進を介して細胞毒性を抑制することが示唆されます。



今度、臨床的意義の検証が期待される分野です。





DHCでは、オリーブリーフ含有サプリメントを製品化しています。




オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用、動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています。



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オリーブリーフ(葉)エキスによる虚血障害保護作用 [2011年07月19日(火)]
今月の生薬学の専門ジャーナル(電子版)に、オリーブリーフ(葉)エキスによる虚血障害保護作用を示した基礎研究が報告されていました。
(Phytomedicine. 2011 Jul 12.)



オリーブ(オリーブ・リーフ(葉)やオリーブ・オイル)には、オレユロペンやヒドロキシチロソールなどのファイトケミカルが豊富に含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を介した生活習慣病の予防や改善効果が示唆されています。



脳梗塞など脳虚血・再灌流による脳障害に対しては、植物由来のポリフェノール・抗酸化成分の働きが注目されています。



オリーブ産物を多く利用する地中海食の摂取は、心疾患やがん、炎症性疾患、脳卒中のリスクの低下との相関が知られています。


(オリーブポリフェノールは、エクストラバージンオリーブオイルやオリーブリーフ(葉)に含まれています。)



そこで、今回の研究では、オリーブリーフ抽出物による脳虚血時の神経保護作用について検証が行われました。


具体的には、スナネズミを用いて、実験的に一過性脳虚血を生じさせ、オリーブリーフあるいはケルセチン投与によって、再灌流後(80分、2、4、24時間後)の海馬における酸化障害や神経障害が測定されています。


(ケルセチンは、神経保護作用を有するフラボノイド類であり、アクティブ対照群になります。)


解析の結果、オリーブリーフ抽出物(100mg/kg体重, per os)の前投与によって、再灌流後のすべての時点において、スーパーオキサイド産生やNO産生の有意な抑制、過酸化脂質の有意な減少、SOD活性の有意な亢進が認められたということです。



以上のデータから、オリーブリーフ抽出物による脳虚血・再灌流時の酸化障害抑制、神経保護作用が示唆されます。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。





DHCでは、オリーブリーフ含有サプリメントを製品化しています。



オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用、動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています。




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オリーブオイルによる脳卒中予防効果 [2011年06月27日(月)]
今月の神経病学の専門ジャーナル(電子版)に、オリーブオイルによる脳卒中リスク低減効果を示した研究が、フランスのグループから報告されていました。
(Neurology. 2011 Jun 15.)



オリーブオイルは、オレイン酸を主成分とし、LDL(悪玉)コレステロールを低下させ、脂質代謝改善作用を介して、動脈硬化性疾患を予防します。


他の調理オイルに比べて、酸化にしくいという特長があります。



さて、今回の研究では、高齢者において、オリーブオイルの摂取と血中オレイン酸、脳卒中との関連が調べられました。

(血中オレイン酸値は、オリーブオイル摂取量の指標となります。)



具体的には、脳卒中の既往のない被験者[オリーブオイル摂取測定群(主な被験者群、n = 7,625)、血中オレイン酸値の測定群(n = 1,245)]を対象に、平均5.25年間のフォローアップ中の脳卒中の発症率が検証されています。



まず、主被験者群では148例の脳卒中が見出されました。


食事因子や運動習慣、BMI、SESなどで補正後、
オリーブオイルの摂取量が多いと、脳卒中の発症率が低いという相関が認められています(p for trend = 0.02)。


オリーブオイルを利用したことがない群に比べて、オリーブオイルをよく利用する群では、脳卒中のリスクが41%低かったということです(95%CI;6%-63%, p = 0.03)。




次に、オレイン酸値測定群では、27例の脳卒中が見出されました。


交絡因子の補正後、オレイン酸値が高いと、脳卒中の発症率が低いという相関が認められています(p for trend = 0.03)。


三分位の最高群では、最低群に比べて、脳卒中のリスクが73%低いというデータ(95% CI;10%-92%, p = 0.03)です。



以上のデータから、オリーブオイルの摂取が多いと脳卒中のリスクが低くなる効果が期待されます。






地中海食は、地中海地方の伝統食で、野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。


オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。


オリーブオイルを多用する地中海食は、心臓病などの生活習慣病の予防効果を示し、抗炎症作用を有する抗炎症ダイエットであることがわかっています。



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オリーブオイルとナッツによる心血管リスク低下作用 [2011年06月20日(月)]
今月の栄養・代謝・循環器病学の専門ジャーナルに、オリーブオイルやナッツ類の摂取による心血管疾患リスクの低下作用を示した臨床研究が、スペインのグループから報告されていました。
(Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2011 Jun;21 Suppl 1:S14-20.)




地中海食は、地中海地方の伝統食で、野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。



今回の研究では、高コレステロール血症を有する患者において、バージンオリーブオイル、クルミ、アーモンドの摂取による脂質代謝への影響が検証されています。


具体的には、クロスオーバー法にて、

バージンオリーブオイル投与群、

クルミ投与群、

アーモンド投与群の

3群についてそれぞれ4週間の介入が行われました。

(食事中の脂質をこれらの脂質で置換)


被験者18名(女性9名、平均年齢56歳、BMI 25.7)が試験を完了しました。


解析の結果、LDLコレステロール値は、
介入前に比べて、

バージンオリーブオイル投与群では7.3%、

クルミ投与群では10.8%、

アーモンド投与群では13.4%

低下が認められたということです。



総コレステロール値およびLDL/HDL比の低下も見出されています。


LDLコレステロール値の低下幅は、置換された食事由来の脂質量から推定されるよりも大きい幅であったとされています。


なお、その他の脂質画分、酸化障害や炎症関連指標には有意な変化は見出されませんでした。



以上のデータから、ポリフェノールの豊富なバージンオリーブオイル、ナッツ類の豊富な食生活は、脂質代謝を改善することが示唆されます。




地中海食は、地中海地方の伝統食で、野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。



オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。



オリーブオイルを多用する地中海食は、心臓病などの生活習慣病の予防効果を示し、抗炎症作用を有する抗炎症ダイエットであることがわかっています。





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伝統的地中海食による脂質代謝改善作用 [2011年06月10日(金)]
動脈硬化研究の専門ジャーナル(電子版)に、伝統的地中海食による脂質代謝改善作用を示した臨床研究が、スペインのグループ(University Rovira i Virgili)から報告されていました。
(Atherosclerosis. 2011 May 6.)



地中海食は、地中海地方の伝統食で、野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。



今回の研究では、心血管疾患のリスク指標となる脂質代謝に対して、伝統的な地中海食と、低脂肪の治療食との比較が行われています。


具体的には、多施設共同ランダム化比較試験として、55-80歳の被験者551名(男性243名、女性308名)を対象に、

・低脂肪食投与群(対照群) (n=177)、

・地中海食+バージンオリーブオイル併用群(n=181)、

・地中海食+種実類(dose: 30g/day)併用群(n=193)

の3群に関して、

アポリポプロテインB、ApoA-T、それらの比が測定されました。
(PREDIMED研究)



3か月間の介入の結果、
伝統的な地中海食摂取群は、いずれも脂質代謝関連指標に有意な改善作用を示したということです。


地中海食+バージンオリーブオイル併用群では、ApoA-Tの増加、ApoBとApoB/ApoA-Tの低下が認められ、心血管リスクの低下が示唆されます。


対照食の低脂肪食投与群に比べて、地中海食+オリーブオイル併用群では、

ApoB;−2.9mg/dL (95% CI, -5.6 to -0.08),

ApoA-I ;3.3mg/dL (95% CI, 0.84 to 5.8),

ApoB/ApoA-I 比;−0.03mg/dL (-0.05 to -0.01)

というデータでした。




以上のデータから、バージンオリーブオイルの豊富な伝統的地中海食の摂取は、脂質代謝改善作用を介して、心血管疾患・心臓病のリスクを低下させる働きが示唆されます。





地中海食は、地中海地方の伝統食で、野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。


オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。


オリーブオイルを多用する地中海食は、心臓病などの生活習慣病の予防効果を示し、抗炎症作用を有する抗炎症ダイエットであることがわかっています。



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産後うつ病を予防する食生活 [2011年04月14日(木)]
東日本大震災により被害を受けられた皆様に,心からお見舞いを申し上げます。

被災地の一日も早い復旧,復興を心よりお祈り申し上げます。


なお,私どもDHCによる支援活動は,こちら
「東日本大震災 被災地への支援活動について」

からご確認いただけます。




今月の保健栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、産後うつ病と食生活との関連を調べた調査研究が、ギリシャのグループ(University of Crete)から報告されていました。
(Public Health Nutr. 2011 Apr 11:1-8.)



今回の研究では、妊娠女性を対象に、前向き研究として、妊娠中の食生活と、産後うつ病との関連が検証されています。


具体的には、2007年から2010年にかけて、妊娠中期の女性529名を対象に、食事調査を行い、産後8-10週の時点でうつ病指標による評価が行われました。
(コホート研究'Rhea(レア)')


産後うつ病指標として、エジンバラ産後うつ病自己評価表(EPDS;Edinburg Postpartum Depression Scale)が用いられています。



解析の結果、
‘健康志向の高い’食事(野菜、果物、豆類、種実類、乳製品、魚類、オリーブオイルなどの多い食事)は、
EPDSスコアが低値であり、産後うつ病リスクが低いことが示されました。


(最高三分位値と最低三分位値で有意差あり: β-coefficient = -1.75, P = 0.02)


三分位の各群間の比較では、健康志向の高い食事を妊娠中に摂ることで、産後うつ病のリスクが半分に減少するという相関が示されています。




以上のデータから、妊娠中の食事による産後うつ病予防効果が示唆されます。



なお、今回の研究で示された健康志向の高い食事は、植物性食品、魚類、オリーブオイルを多用する地中海食に相当します。



DHCでは、ポリフェノールが豊富で機能性が示されているエクストラバージンオリーブオイルを取り扱っています。



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オリーブ・オレユロペンの抗炎症作用 [2011年03月21日(月)]
東日本大震災により被害を受けられた皆様に,心からお見舞いを申し上げます。

被災地の一日も早い復旧,復興を心よりお祈り申し上げます。


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今月の臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に,オリーブに含まれるポリフェノール・オレユロペンによる抗炎症作用を示した基礎研究が,イタリアのグループ(University of Messina)から報告されていました。
(Clin Nutr. 2011 Mar 14.)


オリーブ(オリーブ・リーフ(葉)やオリーブ・オイル)には,オレユロペンやヒドロキシチロソールなどのファイトケミカルが豊富に含まれており,抗酸化作用や抗炎症作用を介した生活習慣病の予防や改善効果が示唆されています。



さて,今回の研究では,オリーブのオレユロペン・アグリコンによる抗炎症作用が検証されました。


具体的には,マウスを用いて,実験的な胸膜炎を誘導し,オレユロペンアグリコンによる影響が調べられています。


解析の結果,実験的胸膜炎誘導マウスでは,肺組織における好中球の浸潤,過酸化脂質の増加,TNF-αの増加,IL-1βの増加などが認められました。


そして,炎症に伴うこれらの変化は,オレユロペンアグリコンの投与(carrageenan投与30分後に投与)によって,有意に減少(改善)したということです。



以上のデータから,オリーブ(オリーブオイル,オリーブリーフ)に含まれるポリフェノールのオレユロペンによる抗炎症作用が示唆されます。



今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。






DHCでは,オリーブリーフ含有サプリメントを製品化しています。



オリーブオイルは,単価不飽和脂肪酸というだけではなく,最近の研究では,エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用,動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています。




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オリーブオイルポリフェノールによる酸化LDL障害抑制作用 [2011年03月17日(木)]
東日本大震災により被害を受けられた皆様に,心からお見舞いを申し上げます。

被災地の一日も早い復旧,復興を心よりお祈り申し上げます。


なお,私どもDHCによる支援活動は,こちら
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今月の臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に,オリーブオイルポリフェノールによる酸化LDL障害抑制作用を示した臨床研究が,スペインのグループから報告されていました。
(Clin Nutr. 2011 Mar 2. )




LDL(いわゆる悪玉)コレステロールは,酸化ストレスによって酸化LDLとなり,動脈硬化を促進します。


酸化LDLに対しては,生体の防御機構として抗酸化LDL自己抗体産生があり,抗酸化LDL自己抗体価が酸化LDL量の指標として用いられます。


(一般に,健常者では,血中酸化LDL値と,酸化LDL自己抗体濃度は負の相関にあるとされ,過剰な酸化LDLに対する防御機構の働きによると考えられます。)



オリーブオイルは,単価不飽和脂肪酸というだけではなく,最近の研究では,エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用,動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています。



さて,今回の研究では,オリーブオイルポリフェノールによる酸化LDLに対する自己抗体産生への影響が検証されました。




具体的には,健康な男性200名を対象に,1日あたり25mlのオリーブオイルを3週間投与しています。
(クロスオーバー法)


オリーブオイルは,ポリフェノールの含有量を変えた3種類です。

高ポリフェノール・オリーブオイル群:366 mg/kg,

中ポリフェノール・オリーブオイル群:164 mg/kg,

低ポリフェノール・オリーブオイル群:2.7 mg/kg



解析の結果,血中の酸化LDL自己抗体濃度は,酸化LDL値と有意な負の相関を示しました(p<0.001)。



オリーブオイル含有ポリフェノールは,血中酸化LDL自己抗体産生を増加させる効果を示し,その効果は,酸化LDL値が高いほど強くなったということです(p=0.020 for interaction)。



血中酸化LDL自己抗体値と,オリーブオイル含有ポリフェノール量との間にも相関が認められています(r=0.209; p=0.014)。




以上のデータから,論文著者らは,オリーブオイルに存在するポリフェノールは,酸化LDL自己抗体産生を介して,脂質酸化障害を抑制すること,そして,この効果は酸化LDL値が高いほど強くなることを考察しています。



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オリーブオイル+オメガ3系脂肪酸による動脈硬化抑制作用 [2011年03月07日(月)]
今月の脂質研究の専門ジャーナルに,エクストラバージンオリーブオイルとオメガ3系必須脂肪酸による動脈硬化抑制作用を示した基礎研究が報告されていました。
(Lipids Health Dis. 2011 Mar 3;10(1):41.)



オリーブオイルは,単価不飽和脂肪酸というだけではなく,最近の研究では,エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用,動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています。



シールオイルは,抗炎症作用を有するEPA/DHA/DPAなどのオメガ3系脂肪酸を多く含みます。



さて,今回の研究では,脂質異常症モデル動物を用いて,エクストラバージンオリーブオイルとシールオイルによる作用が調べられています。


具体的には,アポリポプロテインE欠損マウスに対して,高脂肪食(19.5%脂質,1.25%
コレステロール)を付加し,1%(wt/wt)のエクストラバージンオリーブオイルとシールオイルを併用投与した群,あるいは,1%のコーンオイルを対照として投与した群について影響が検証されました。

(アポリポプロテインE欠損マウスは,脂質異常症を示し,動脈硬化性疾患モデル動物として知られています。)



12週間の介入の結果,エクストラバージンオリーブオイルとオメガ3系脂肪酸の併用投与群では,雌マウスの大動脈弓,胸部大動脈,腹部大動脈における動脈硬化巣形成の有意な減少が認められたということです。


この動脈硬化抑制作用は,雄マウスでは,胸腹部大動脈において有意な効果として見いだされました。

(つまり,雄マウスよりも雌マウスにおいてより大きな効果であったことになります。)


このとき,各群間で,摂食量,体重増加などには有意差は認められていません。


しかし,他の群に比べて,エクストラバージンオリーブオイルとオメガ3系脂肪酸の併用投与群では,雌雄マウスの双方において血中トリグリセリドの低下が見いだされました。


また,雄マウスでは,対照群に比べて,血中コレステロール値の有意な低下が示されています。



以上のデータから,エクストラバージンオリーブオイルとオメガ3系必須脂肪酸による,動脈硬化性疾患の抑制効果が示唆されます。


作用メカニズムとして,抗酸化作用や抗炎症作用が考えられます。


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オリーブオイルポリフェノールによる血管の健康維持 [2011年02月25日(金)]
今月の循環器病学の専門ジャーナル(電子版)に,オリーブポリフェノールによる血管内皮細胞増殖抑制効果を示した基礎研究が,米国のグループ(Yale University School of Medicine)から報告されていました。
(Eur J Vasc Endovasc Surg. 2011 Feb 16.)


地中海食は,地中海地方の伝統食で,野菜や果物,全粒の穀類,種実類,オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。


オリーブオイルは,単価不飽和脂肪酸というだけではなく,最近の研究では,エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。



オリーブオイルを多用する地中海食は,心臓病などの生活習慣病の予防効果を示し,抗炎症作用を有する抗炎症ダイエットであることがわかっています。



さて,今回の研究では,オリーブに存在するポリフェノールの1種,オレユロペンによる血管平滑筋細胞への影響が検証されました。

(オレユロペンは,オリーブオイルやオリーブリーフ(葉)抽出物に含まれています。)



具体的には,in vitro系にて血管平滑筋細胞(Bovine vascular SMCs)を,100μMのオレユロペンにて培養し,1,3,5日間にわたって,細胞周期などの指標が測定されています。


解析の結果,オレユロペン存在下にて,細胞増殖の有意な抑制(92%)が認められたということです。


細胞周期の解析では,オレユロペンは,対照群に比べて,G1-S期を抑制していました。

G1期では,cyclinD, p21, p27といった分子は影響を受けていませんでしたが,ERK1/2活性は,オレユロペンによって阻害されています。




以上のデータから,オリーブポリフェノールのオレユロペンは,G1期とS期において作用し,血管平滑筋細胞の増殖を抑制することから,オリーブオイルやオリーブリーフの摂取による動脈硬化性疾患のリスク低減が示唆されます。


今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。



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うつ病リスクと摂取する脂肪の種類の関係 [2011年02月11日(金)]
うつ病発症リスクと,摂取する脂肪の種類の関係について検証した臨床研究が,スペインとオランダのグループから報告されていました。
(PLoS One. 2011 Jan 26;6(1):e16268.)



近年,うつ病の増加が問題になっています。


栄養学の分野では,特定の栄養素の摂取と,うつ病リスクとの関連が示唆されています。



今回の研究では,摂取する脂質や調理用油の種類と,うつ病発症リスクとの関連が調査されました。



具体的には,12,059名(平均年齢37.5歳)を対象に,136項目の食事調査が行われ,飽和脂肪酸,多価不飽和脂肪酸,トランス脂肪酸,単価不飽和脂肪酸,調理オイル(オリーブオイル,種実油,バター,マーガリン)の摂取量が解析されています。


(1999-2010年にスペインにて行われた前向きコホート研究。
試験開始時には,うつ病を有していない被験者を対象。)


6.1年間のフォローアップの結果,新規うつ病患者657例が診断されています。



多変量補正によるうつ病発症リスクと各脂質との関係は,摂取量を5分位として,

トランス脂肪酸は,摂取が多くなるほど,うつ病リスクの有意な増大が認められました。

(1 (ref), 1.08 (0.82-1.43), 1.17 (0.88-1.53), 1.28 (0.97-1.68), 1.42 (1.09-1.84))
(p for trend&#8202;=&#8202;0.003)



一方,単価不飽和脂肪酸(p for trend&#8202;=&#8202;0.05)や多価不飽和脂肪酸(p for trend&#8202;=&#8202;0.03)の摂取は,うつ病のリスクを用量依存的に有意に低下させています。



オリーブオイルでは,1日あたりの摂取量(グラム/日)の5分位(2.8,7.3,11.0, 20.6,28.0)について,
もっとも少ない群に比べて,それぞれ23%,15%,36%,22%のリスク低下作用が見出されました。




以上のデータから,脂質の種類・量と,うつ病リスクとの関連について,トランス脂肪酸の摂取が多いとリスクが高くなり,オリーブオイル,単価不飽和脂肪酸,多価不飽和脂肪酸はリスクを低減することが示唆されます。





オリーブオイルは,単価不飽和脂肪酸というだけではなく,最近の研究では,エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。


通常の調理オイル(さまざまな植物オイル)はオメガ6系が多すぎるため,慢性炎症を生じて生活習慣病のリスクを高めます。

調理用オイルは,すべて,エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに置き換えることが好ましいと考えます。
(元の食材自体にはさまざまな脂質が含まれますので,バランス上,問題ありません。)


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オリーブリーフ(葉)による痛風関連酵素の阻害作用 [2010年12月30日(木)]
今月の生薬学の専門ジャーナル(電子版)に,オリーブリーフ(葉)による痛風関連酵素の阻害作用を示した基礎研究が,ドイツのグループから報告されていました。
(Phytomedicine. 2010 Dec 6.)



オリーブリーフ(葉)には,抗酸化作用を含むファイトケミカルが含まれており,地中海沿岸地域における民間療法で用いられてきたハーブです。


現在,オリーブリーフ抽出物サプリメントが,痛風などさまざまな生活習慣病の予防に利用されています。



今回の研究では,オリーブリーフ抽出物によるキサンチンオキシダーゼへの作用が調べられました。



キサンチンオキシダーゼ(キサンチン酸化酵素,xanthine oxidase)は,痛風の原因となる尿酸を産生する生合成酵素です。


実際,痛風に伴う高尿酸血症の治療薬として,キサンチンオキシダーゼ阻害剤が用いられています。



さて,今回の研究では,オリーブリーフ抽出物およびオリーブリーフ由来の9種類のポリフェノールに関して,キサンチンオキシダーゼ阻害活性が検証されました。


具体的には,HPLCを用いて標準化されたオリーブリーフ抽出物および各ポリフェノールを用いて,Lineweaver-Burkプロットから酵素阻害剤のKi値が測定されています。


解析の結果,オリーブリーフ抽出物およびポリフェノールによって,キサンチンオキシダーゼ活性に対する有意な阻害作用が見出されたということです。


オリーブリーフポリフェノールの中では,例えば,アピゲニンapigeninによる阻害作用は,Ki値が0.52μMでした。

(指標薬として用いられた高尿酸血症阻害剤の医薬品であるアロプリノールでは,Ki値が7.3μMです。)

オリーブリーフポリフェノールの主成分として24.8%を占めるオレユロペンでは,Ki値が53.0μMと顕著に高く,キサンチンオキシダーゼに対する顕著な阻害作用が示されています。


(その他の成分でのKi値は,カフェ酸の11.5μM,ルテオリン-7-O-β-d-グルコシドの15.0μM,ルテオリンの2.9μMなどとなっています。)


オレユロペンに関しては,競合的阻害が示されています。


なお,チロソール,ヒドロキシチロソール,verbascoside,アピゲニン-7-O-β-d-グルコシドの各ポリフェノールについては,XO阻害活性は見出されていません。
(ただし,アピゲニン-7-O-β-d-グルコシドは,摂取後,アピゲニンになることでXO阻害活性を示すと考えられます。)


以上のデータから,オリーブリーフ(葉)抽出物,およびオレユロペンやアピゲニンなどのオリーブリーフポリフェノールによるXO阻害活性を介した高尿酸血症予防・痛風予防効果が示唆されます。


今後,臨床研究によるエビデンスの構築が期待される分野です。



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エクストラバージンオリーブオイルでのフライ食品(揚げ物)がインスリン抵抗性を改善 [2010年12月27日(月)]
今月の臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に,エクストラバージンオリーブオイルでのフライ食品(揚げ物)によるインスリン抵抗性の改善作用を示した臨床研究が,イタリアのグループ(Catholic University of Sacred Heart, Rome)から報告されていました。
(J Med Food. 2010 Dec 13.)



近年の研究によって,肥満やメタボリック症候群に対しては,食後の過血糖を抑制する低グリセミック指数(GI)や低グリセミック負荷(低GL)の食事が有用であることが示されています。



GIやGLは,同じ食材やエネルギー量の食事であっても,炭水化物のバイオアベイラビリティや調理方法によって異なることが知られています。



そこで,今回の研究では,肥満と非肥満の女性を対象に,エクストラバージンオリーブオイル(非加熱(生)あるいはフライ調理によるエクストラバージンオイル)を含む炭水化物食の働きが検証されています。



具体的には,一晩の絶食後,インスリン抵抗性を示す肥満女性12名(BMI;32.8±2.2kg/m(2))と非肥満女性5名(BMI;22.2±1.2kg/m(2))が,無作為に次の2群に分けられました。


食事A:60グラムのパスタ(小麦粉)と,150グラムのグリルしたズッキーニに25グラムの非調理エクストラバージンオリーブオイルを添加した食事。


食事B:15グラムのエクストラバージンオリーブオイルを含む150グラムのフライ(揚げ物)のズッキーニ,10グラムのエクストラバージンオリーブオイル,60グラムのいためたパスタの食事。


(食事AとBは,いずれも25グラムのエクストラバージンオリーブオイル含有。また,いずれも150グラムのりんごを含有。)


摂取前と,食事3時間までの30分毎に,血糖値,血中インスリン,Cペプチド,中性脂肪が測定され,AUCが算出されました。



解析の結果,肥満女性の被験者群では,食事Bよりも食事A摂取後のほうが,CペプチドのAUCが有意に大きな値を示しました。

(120 分後; [Wilcoxon sign rank test]=27.5, P=0.0020, 150分後;W=26.5,P=0.0039, 180 分後 ;W=26.5, P=0.0039)


(つまり,食事Aのほうが,炭水化物負荷によるインスリン分泌刺激が大きいことになります。)



一方,非肥満の被験者では,有意差は見出されませんでした。



以上のデータから,インスリン抵抗性を示す肥満女性では,エクストラバージンオリーブオイルによる調理食のほうが,(等カロリーの非フライ食よりも)食後のインスリンやCペプチドの低下(=糖負荷の軽減)という点で好ましいことが示唆されます。



日本では,一般に,2型糖尿病の食事指導で,エネルギー量/カロリーベースの食事療法が説明されます。

(つまり,低カロリーで低脂肪の食事が推奨されます。その結果,低脂肪の麺類・ご飯・炭水化物食をとって,血糖コントロールが不良な患者がたくさんいます。)



血糖コントロールのためには,摂取総カロリーの制限ではなく,糖質制限のほうが効果的なのは明らかです。


また,長期的には,体にいい油を摂取することが重要ですので,通常の調理オイルとして,エクストラバージンオリーブオイルの利用が推奨できます。


その他,同じカロリーでも,食事の順番や調理法によって,食後血糖値は大きく変化します。




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エクストラバージンオリーブオイル由来成分の抗がん作用 [2010年12月10日(金)]
今月の分子栄養学の専門ジャーナル(電子版)に,エクストラバージンオリーブオイルに由来するヒドロキシチロソールの抗がん作用を示した基礎研究が,スペインのグループ(University of Granada)から報告されていました。
(Mol Nutr Food Res. 2010 Dec 1)





オリーブオイルは,単価不飽和脂肪酸に分類され,地中海食で頻用されます。


地中海食は,心臓病などの動脈硬化性疾患のリスクを低減することから,その一因としてオリーブオイルによる効果が示されてきました。


最近の研究では,単にオリーブオイルであればいいというのではなく,エクストラバージンオリーブオイルに多く含まれるポリフェノール/ファイとケミカルの機能性が注目されています。



エクストラバージンオリーブオイルに豊富に存在するポリフェノールは,消化吸収の過程で分解され,チロソールやヒドロキシチロソールとして作用します。




さて,今回の研究では,ヒドロキシチロソール(hydroxytyrosol)の抗がん作用が検証されています。



具体的には,Sprague-Dawleyラットを用いて,化学的に乳腺がんを誘導し,ヒドロキシチロソール投与(0.5&#8201;mg/kg b.w. 5 日/週)による働きが調べられました。

(総数n=28,ヒドロキシチロソール介入群n=10)



6週間の介入試験後の解析によると,ヒドロキシチロソールによる乳腺がん細胞の増殖抑制が示されました。


この抗腫瘍作用は,抗がん剤のドキソルビシンと同程度であり,かつ,組織学的所見では優れていたということです。


このとき,アポトーシス,細胞周期,細胞増殖に関連した遺伝子発現の変化も見出されています。



以上のデータから,ヒドロキシチロソールによる抗がん作用が示唆されます。




今後,バージンオリーブオイル,エクストラバージンオリーブオイルの健康保持・疾病予防効果に関して,分子メカニズムの解明が期待されます。




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バージンオリーブオイルによる脂質代謝への影響 [2010年11月23日(火)]
代謝学の専門ジャーナル(電子版)に,バージンオリーブオイルによる脂質代謝への影響を調べた臨床研究が,スペインのグループから報告されていました。
(Metabolism. 2010 Oct 8)




オリーブオイルは,単価不飽和脂肪酸という特徴だけではなく,最近の研究では,エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用・抗炎症作用を介した健康増進・疾病予防の効果が示されています。




今回の研究では,バージンオリーブオイル投与時の血中脂質組成に関する検証が行われました。


具体的には,健康な被験者33名を対象に,1日あたり25mlの

(1)精製されたオリーブオイル(ポリフェノールを除去したオリーブオイル)

(2)オリーブオイル(バージンオリーブオイルではなく,ポリフェノール含有量の少ない,安価なオリーブオイル)(ポリフェノール含有量は370 mmol/kg)

(3)バージンオリーブオイル(ポリフェノール含有量は825 mmol/kg)

の3種類のオリーブオイルが,二重盲検ランダム化クロスオーバー法にて投与されています。

(各群3週間ずつ投与。washoutは2週間。)



ITT解析の結果,
介入による血中脂質LDL値やTG値に有意な変化は示されませんでしたが,VLDL粒子の脂質組成において,バージンオリーブオイル摂取群では,オレイン酸とパルミチン酸の増加,リノール酸の低下が見出されたということです。


(VLDLはリポタンパク質の1種です。リポタンパク質にはカイロミクロン,VLDL,IDL,LDL,HDLがあります。)


VLDL粒子組成に対する作用は,ポリフェノール含有量に応じた,用量依存的でした。



今後,バージンオリーブオイル,エクストラバージンオリーブオイルの健康保持・疾病予防効果に関して,脂質代謝における分子メカニズムの解明が期待されます。


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オリーブリーフ(葉)の高血圧改善作用 [2010年11月20日(土)]
植物療法学の専門ジャーナル(電子版)に,オリーブリーフ(葉)抽出物による高血圧改善作用を示した臨床研究が報告されていました。
(Phytomedicine. 2010 Oct 29)




オリーブリーフ(葉)には,オレユロペンやヒドロキシチロソールなどのファイトケミカルが豊富に含まれており,抗酸化作用や抗炎症作用を介した生活習慣病の予防や改善効果が示唆されています。



今回の研究では,高血圧症におけるオリーブリーフ抽出物の降圧作用/高血圧改善作用が降圧剤のカプトプリルと比較検証されました。
(二重盲検ランダム化比較試験)


具体的には,軽症高血圧症患者を対象に,4週間の試走期間後,オリーブリーフ抽出物が1,000mg(分2)/日の用量で8週間投与されています。


カプトプリルは,25mg(分2)で開始され,2週間後に必要であれば(降圧効果が不十分であれば)50mgへ増量されました。



主エンドポイントは8週間の介入後の時点での収縮期血圧値,副エンドポイントは拡張期血圧と脂質関連指標とされています。


試験開始前の収縮期血圧は,

オリーブリーフ投与群では149.3±5.58mmHg,

カプトプリル投与群では148.4±5.56mmHg

でした。


拡張期血圧はそれぞれ93.9±4.51,93.8±4.88mmHgとなっています。


8週間の介入後,両群とも,収縮期血圧と拡張期血圧のいずれも有意に低下(改善)しています。


収縮期血圧は,

オリーブリーフ投与群では11.5±8.5mmHg低下,

カプトプリル投与群では13.7±7.6mmHg低下,


拡張期血圧は,

オリーブリーフ投与群では4.8±5.5 mmHg

カプトプリル投与群では6.4±5.2mmHg
低下というデータです。

(降圧効果に関して,両群間に有意差はなし。)



脂質代謝指標では,オリーブリーフ投与群において中性脂肪値の有意な低下が認められました。

(カプトプリル投与群では変化なし。)





以上のデータから,オリーブリーフの投与は,軽症高血圧患者に対してカプトプリルと同等の降圧作用を示し,脂質代謝改善効果も有することが示唆されます。





DHCでは,オリーブリーフ含有サプリメントを製品化しています。



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