サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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小児糖尿病の腎障害に対する補完療法としてのカルノシンの働き [2017年07月30日(日)]
今月の小児糖尿病学の専門ジャーナル(電子版)に、小児糖尿病の腎障害に対するカルノシンの作用を調べた臨床研究が、エジプトのグループ(Ain shams University)から報告されていました。
(Pediatr Diabetes. 2017 Jul 26.)




カルノシンは、イミダゾールジペプチドの1種です。

産官学による研究で,抗疲労作用という機能性が示された成分です。


また、
これまでの基礎研究では、

カルノシンによる糖尿病や心臓病への有用性が示唆されています。


最近では、次のような研究が知られています。


カルノシンによる2型糖尿病リスク低減作用


アンセリンによる認知機能・身体機能改善作用




さて、今回の研究では、

小児糖尿病での腎障害に対するカルノシンの働きが検証されました。


糖尿病性腎障害では、

酸化ストレスが病態進展の原因となることから、

活性酸素のスカベンジャーとしてのカルノシンの作用を調べた、という背景です。




具体的には、

ランダム化偽薬対照試験として、

糖尿病性腎症を有しており、
ACE阻害剤を服用している小児糖尿病患者90名を対象に、


・カルノシン(1g/日)投与群:45名、

・偽薬投与群:45名

の2群について、
12週間の投与が行われ、

糖代謝(HbA1c)、尿細管障害の指標であるα1-マイクログロブリン(α1-m, A1M)、総抗酸化能、MDA(過酸化脂質)などが調べられています。


投与開始の時点では、

臨床指標および検査指標において両群間に差はありませんでした。



解析の結果、

12週間のカルノシン投与(1g/日)によって、

投与前に比べて、
および
偽薬投与群に比べて、
(P&#8201;<&#8201;.001)

HbA1cの有意な低下
(8.2&#8201;±&#8201;2.1% vs 7.4&#8201;±&#8201;1.3%)

UAEの有意な低下、
(91.7 vs 38.5&#8201;mg/g creatinine)

A1Mの有意な低下、
(16.5&#8201;±&#8201;6.8&#8201;mg/L vs 9.3&#8201;±&#8201;6.6&#8201;mg/L)

MDAの有意な低下
(25.5&#8201;±&#8201;8.1 vs 18.2&#8201;±&#8201;7.7&#8201;nmol/mL)

TAC(総抗酸化能)の有意な増加
(P&#8201;<&#8201;.001)

が見出されました。


なお、有害事象は示されていません。


また、
カルノシン投与群では、

投与前のTAC値は、

HbA1c値
(r&#8201;=&#8201;-0.58, P&#8201;=&#8201;.04)
および
A1M値
(r&#8201;=&#8201;-0.682, P&#8201;=&#8201;.015)
と有意な負の相関が見出されています。




以上のデータから、

ACE阻害剤服用中で、腎障害を有する1型糖尿病小児患者において、

L-カルノシン(1g/日)の12週間の投与により、

抗酸化能の亢進、

糖代謝指標の改善、

腎障害指標の改善といった作用が示唆されます。


今後、補完療法としての臨床的意義の検証が期待される分野です。




DHCでは,
イミダゾールペプチドサプリメントを製品化しています。


イミダゾールペプチドは,イミダゾール基を有するアミノ酸結合体の総称です。

近年、イミダゾールジペプチドが,抗疲労を有する機能性成分・サプリメントとして利用されるようになりました。

産官学による研究で,抗疲労作用という機能性が示された成分です。


アンセリンanserineやカルノシンcarnosineといった成分があります。

東南アジアの栄養ドリンク剤には,トリ胸肉エキスを利用したものがあります。

トリ(鶏)胸肉抽出物は,CBEX(Chicken Breast Extract)として知られる機能性食品素材です。

トリ胸肉中にはイミダゾールジペプチドであるカルノシンやアンセリンが豊富に含まれており,予備的な臨床研究では,トリ胸肉抽出物(イミダゾールジペプチドとして400mg含有)投与による抗疲労効果が示されています。


イミダゾールジペプチド(カルノシンおよびアンセリン)は,抗酸化作用を有し,活性酸素による組織傷害に対する保護作用を示します。

また,イミダゾールジペプチド投与により,骨格筋中のカルノシンおよびアンセリン濃度が上昇します。

骨格筋のカルノシンの濃度は,運動パフォーマンスと相関することから,
骨格筋におけるイミダゾールジペプチドの抗酸化作用により,抗疲労効果が発揮されると思われます。




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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。



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