今月の小児科学の専門ジャーナル(電子版)に、少年期女子における、ビタミンDやカルシウムの摂取と、疲労骨折リスクとの関連を調べた疫学調査が、米国のグループ(Harvard Medical School)から報告されていました。
(
Arch Pediatr Adolesc Med. 2012 Mar 5.)
今回の研究では、
少年期女子において、
カルシウム、ビタミンD、乳製品の摂取と、疲労骨折リスクとの間の関連が調べられました。
(前向きコホート研究です。)
具体的には、9歳から15歳の女子6,712名を対象に、
1996年から2001年にかけて、12ヶ月あるいは24か月ごとに、
カルシウム、ビタミンD、乳製品の摂取状況についての食事調査が行われ、
1997年から2004年の間に発生した疲労骨折イベントが集められています。
解析の結果、
7年間のフォローアップ中、
3.9%の被験者で疲労骨折が見出されました。
まず、
乳製品およびカルシウムの摂取は、疲労骨折との間に相関は認められませんでした。
次に、
ビタミンDの摂取は、疲労骨折リスクと負の相関傾向が見出されたということです。
五分位の最高群は、最低群に比べて、51%のリスク低下傾向というデータが示されています。
(95% CI, 0.24-1.01; P(trend) = .07)
さらに、層別解析の結果、
ハイインパクト系の活動を行う被験者では、
ビタミンDの高摂取は、疲労骨折の低リスクに対しての予測因子として有意性が認められています(P(trend) = .04)。
以上のデータから、少年期女子では、カルシウムや乳製品の摂取よりもビタミンDの摂取が、疲労骨折リスク抑制に効果があると示唆されます。
ビタミンDは、骨の健康維持や骨粗鬆症予防の必須栄養素として知られています。
近年、ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用なども見出されてきました。
また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。
(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000 IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)
今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。
日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。
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